中絶手術の安全性とリスク|医療機関選びのポイントも紹介

安全性

望まない妊娠をしてしまった場合、人工妊娠中絶という選択肢があります。

ただし中絶手術には少なからずリスクがあり、合併症によって不妊になる可能性も考えられます。

このように中絶は決して簡単な手術ではありません。

何となくではなく、中絶手術におけるリスクと安全性をしっかり確認しておきましょう。

本記事では、医療機関選びのポイントについても解説しますのでぜひ参考にしてみてください。

中絶手術におけるリスク

中絶手術は安全を期して行われますが、生じる可能性のあるリスクと対処法を知っておくことが大切です。

手術のリスクには身体的なものだけでなく、精神的なリスクも存在します。

身体的なリスク

出血や感染症、腹膜炎、絨毛遺残など、中絶手術で引き起こされる合併症には様々あります。

ただし、術後の出血や腹痛、頭痛といった症状は比較的起きやすいことに加え、経過観察で状態が改善することがほとんどです。

手術後に異変を感じたら、早めに医療機関に相談することで悪化するのを防げます。

決して無理はせずに検診や薬の処方を受けてください。

精神的なリスク

中絶手術後の精神的なリスクに中絶後遺症候群(PAS)があります。

これは手術によって精神的なストレスがかかり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状があらわれたものです。

中絶後遺症候群は、中絶手術を受けた方の20%が発症すると言われています。

時間の経過によって症状が改善されることが多いですが、ストレスを解消するためにも一人で抱えずに相談することが大切です。

手術後に不安な気持ちや、中絶手術のことを思い出してしまい辛い場合は、信頼できる家族や友人、医療機関などに相談してください。

中絶手術の安全性

中絶手術を安全に行うためにも、妊娠をしたらできるだけ早い段階で産婦人科の医療機関を受診しましょう。

受診することで正確な妊娠週数や母体と妊娠の状態などがわかり、次に行うべき対策をスムーズに立てられるからです。

妊娠週数

妊娠週数によって中絶の手術方法が変わるため、正確な妊娠週数を知ることは重要です。

中絶手術には「初期中絶」と「中期中絶」があります。

初期中絶は、妊娠11週6日までに行う中絶手術のことです。

一方、中期中絶は、妊娠12週~22週未満の間に行う中絶手術のことです。

手術はお腹の胎児が成長して大きくなっていくと手術操作が困難になり、妊娠22週を超えると法律によって中絶手術は行えません。

そのため、安全性を考慮するのであれば初期中絶を行うのが良いと言えます。

妊娠状態

妊娠状態として単体妊娠か多胎妊娠なのか、正常妊娠かどうか、胎盤の位置や子宮筋腫の合併はないかといった内容を確認します。

妊娠状態によって、麻酔の投薬量や処方する薬の種類を変えるといった対応を行う医療機関が多いです。

また、手術前に事前検査を行うことで感染症にかかっていないか、貧血の度合いは問題ないかなどを検査し、手術を行えるかどうか判断します。

母体の健康状態

既往歴・薬歴に関する問診を行い、各種検査を適切に実施することが重要です。

妊娠中の母体は胎児の発育が進むにつれて様々な変化が起こります。

特に、妊娠11週頃までは体の調子が変化しやすい時期です。

気になる体の異変や不安なことがあれば、受診時に医師に相談してください。

医療機関選びのポイント

中絶手術は母体保護法指定医のもとでなければ受けられない手術です。

様々な医療機関がある中で、どのような基準で医療機関を選ぶべきなのか知っておくことが重要になります。

中絶手術の方法

妊娠11週6日までの初期中絶の手術方法には「掻爬(そうは)法」と「吸引法」の2種類があります。

掻爬法は、医療器具を使用して子宮内容物を掻き出す手術方法です。

古くから用いられている手術方法で、医師の技術や経験が左右します。

器具の操作によって子宮頸管・子宮内膜に傷を与えてしまうリスクが少し高く、手術時間・麻酔時間ともにが長くなりやすいです。

吸引法は、子宮口と子宮頚管に吸引器を挿入して子宮内容物を吸い取る手術方法です。

WHO(世界保健機関)で初期中絶手術の世界標準として推奨されています。

子宮内膜に優しく、手術時間・麻酔時間が短く済むことが利点です。

当院ではこのような理由から、吸引法を採用しています。

麻酔の方法

中絶手術を行う際には麻酔を投与します。

麻酔には意識が完全になくなって眠りにつく全身麻酔と、意識は残るが痛みがなくなる局所麻酔に分類できます。

中絶手術では全身麻酔を利用するのが一般的です。

また、全身麻酔の中でも静脈麻酔だと呼吸作用の残る浅い麻酔ですので、短時間での手術に適しています。

池袋クリニックでは、麻酔による呼吸抑制をできるだけ防ぐために、2種類の麻酔薬を併用しています。

これにより痛みをさらに感じにくくなり、結果として麻酔用量を減らせるのため呼吸抑制が起こりにくくなるからです。

母体への負担や安全性を考慮した麻酔投薬を行っているかも、医療機関選びのポイントになります。

中絶手術の費用

安全かつ安心して中絶手術を受けるためには、手術料金や診察料金、再診料などを明示した上でわかりやすい料金体系であることが重要です。

中絶手術を受ける前に、かかる費用が明確に記載されている医療機関を選びましょう。

また、支払い方法も確認しておくべきポイントです。

クレジットカードは利用できるのか、分割払いは可能かなど、事前に見ておくことをおすすめします。

当院ではクレジットカード払い、分割でお支払い可能です。

まとめ

やむを得ず人工妊娠中絶をご検討される場合は、妊娠初期の11週6日までに手術を受けるようにしましょう。

初期中絶の場合だと、母体にかかる負担やリスクが低くなるからです。

費用面においても初期中絶のほうが負担が少なく済みます。

負担をできるだけ軽くするためにも、可能な限り早く決断することをおすすめします。

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