人工妊娠中絶の手術方法について

手術

人工妊娠中絶の手術方法には、いくつか種類があります。さらに、手術方法はクリニックや妊娠週数によって異なります。

本記事では人工妊娠中絶の手術方法の種類や特徴について解説します。手術の流れや手術後の過ごし方についても解説しますので、参考にしてください。

人工妊娠中絶の手術方法

人工妊娠中絶の手術方法には、大きく分けて次の2種類があります。

  • 掻爬(そうは)法
  • 吸引法

それぞれの手術方法や特徴を確認しましょう。

掻爬法

掻爬法は、ハサミ形の特殊な器具を使って子宮内容物を取り出す方法です。

日本では、現在も妊娠11週までの初期中絶手術の多くがこの掻把法で行われています。

吸引法

吸引法は、吸引管を子宮頸管内に挿入し、子宮内容物を吸い出す方法です。WHO(世界保健機関)が推奨している手術方法でもあります。

池袋クリニックでも、人工妊娠中絶手術は吸引法です。

妊娠週数と中絶の手術方法について

人工妊娠中絶・人工妊娠中断の手術は、いつでもできるものではありません。手術が受けられるのは、妊娠22週未満(21週6日)までと定められているのです。

人工妊娠中絶手術は時期によって「初期中絶」と「中期中絶」の2つに分けられます。

初期中絶は、妊娠11週6日までの妊娠初期に行う中絶手術です。一方、中期中絶は、妊娠12週以降~22週未満の妊娠中期に行う中絶手術になります。

妊娠週数ごとによる中絶手術の方法は、以下の通りです。

妊娠週数中絶の手術方法
初期中絶妊娠4週~11週6日掻爬法
吸引法
中期中絶妊娠12週目掻爬法
吸引法
妊娠13週目吸引法
分娩法
(手術前処置あり)
妊娠14週から妊娠21週6日まで分娩法

妊娠13週以降になると、手術前日に子宮口・子宮頸管を拡張するための「手術前処置」が必要になります。

分娩法の場合、その翌日に子宮収縮剤を投与し、陣痛を意図的に起こして出産する形です。

中絶手術の方法ごとのメリット・デメリット

人工妊娠中絶手術で用いられる掻爬法、吸引法には、それぞれメリット・デメリットが存在します。

まとめると下記の表の通りです。

メリットデメリット
掻爬法・対応できる医師、クリニックが多い
・妊娠内容物を遺残なく摘出しやすい
・感染などのトラブルが起きにくい
・子宮内膜が傷つきやすい
・吸引法と比較して手術時間が長い
・出血量が多くなる場合がある
吸引法(EVA)・子宮内膜へのダメージが少ない
・掻爬法と比較して手術時間が短い
・出血を抑えられる
・妊娠内容物が遺残する場合がある
・洗浄・滅菌に手間がかかる
・適切に滅菌しないと感染トラブルが発生する
吸引法(MVA)・上記に加え、EVAよりも痛みがより少ない
・手動なので吸引力を調整できる

人工妊娠中絶手術・人工妊娠中断の流れ

人工妊娠中絶手術を受ける場合、次のような流れで手術が行われます。

  1. クリニックに予約をする
  2. 診察・術前検査を受ける
  3. 手術を受ける

それぞれについて確認しましょう。

①クリニックに予約をする

中絶手術を行うために、クリニックで予約を取りましょう。

池袋クリニックの場合は、お電話(03-3982-6228)かWebで予約を受け付けております。

予約なしでも診察は可能ですが、予約いただいた方がスムーズにご案内できます。予約なしの場合は、受付時間内にご来院ください。

②診察・術前検査を受ける

診察当日は、正常妊娠・正確な週数のチェックや感染症検査などを行います。

あわせて、手術概要や手術同意書の説明、術後のケアなどを、担当医からしっかりと説明させていただきます。診察の時点で不明点や不安なことなどがあれば、納得できるまでぜひご相談ください。

③手術を受ける

池袋クリニックで行う中絶手術は、術前処置を行わないことから痛みを感じにくく、麻酔で眠っている間に手術が終わります。

また、麻酔による呼吸抑制をできるだけ防ぐために、2種類の麻酔薬を併用しているのが当院の特徴です。麻酔薬を併用することで、より痛みを感じにくく、結果的に麻酔用量を減らせるため呼吸抑制が起こりにくくなります。

手術自体は約10分で終了し、術後から2~3時間程度で歩けるようになるでしょう。

中絶手術後について

中絶手術後はベッドでゆっくり休んでいただき、歩けるようになったら帰宅可能です。帰宅後はなるべく安静に過ごしますが、夜寝る前にシャワーを浴びる分には問題ありません。

中絶手術後の痛みは生理痛程度が多いです

手術中は麻酔で痛みを感じませんが、手術後に麻酔が切れると痛みを感じます。帰宅する頃には、生理痛程度の痛みになっている場合が多いです。

中絶手術後に出血が続く場合もあります

基本的に、中絶手術を行うと出血があります。個人差はありますが、出血量は翌日から少しずつ減少しはじめ、1~2週間ほど続くケースが多いです。長い人の場合だと、出血が続いた状態で生理を迎え、1ヶ月近くにおよぶこともあります。

手術後は安静に過ごすことで、出血量を抑えられるのでおすすめです。

中絶手術後の食事は普段通りで問題ありません

食事に関して、帰宅後は普段通りの食事を摂って問題ありません。ただし、前日から何も食べていないため、急にたくさん食べすぎないように注意しましょう。

中絶手術後は軽い仕事であれば行って大丈夫

手術後の仕事は、翌日からデスクワークなどの軽い仕事であれば行って大丈夫です。もし体調が優れない場合は、無理せず安静にして過ごしましょう。

中絶手術後に低用量ピルの服用をおすすめしています

池袋クリニックでは、手術後1週間以内に低用量ピルの服用をおすすめしています。

術後にピルを服用することで、ホルモンバランスの崩れを正常な月経周期へ回復させ、子宮内膜が回復しやすくなる効果が期待できるからです。

まとめ

人工妊娠中絶の手術方法は、クリニックによって掻爬法と吸引法に分かれることを紹介しました。

池袋クリニックでは、体の負担を軽減できることから吸引法を採用しております。

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