女性の抜け毛がひどい4つの原因と改善・予防方法

女性の抜け毛がひどい4つの原因と改善・予防方法

シャンプー後の排水口や枕に大量の髪の毛を見つけて、不安になっていませんか?

「最近抜け毛がひどくて、薄毛になるのではないか心配」

「産後から急に髪が抜け始めた」

「更年期に入ってから髪のボリュームが減った」

といった悩みを抱える女性が年々増加しています。女性の抜け毛には、ホルモンバランスの変化、ストレス、生活習慣の乱れなど複数の原因が関係しているといわれます。

一般的に1日50~100本程度の抜け毛は正常範囲ですが、100本を超える抜け毛が続く場合は早めに対処しましょう。

当記事では、女性の抜け毛の主な原因から具体的な治療・改善方法、効果的な予防策まで詳しく解説します。20代から更年期まで各世代別の対策法や、妊娠中でも安全な治療法についても紹介。正しい知識を身につけておけば、抜け毛の不安から解放され、美しい髪を取り戻せます。

目次

女性の抜け毛がひどくなる4つの主な原因

女性の抜け毛がひどくなる4つの主な原因

女性の抜け毛がひどくなる背景には、一つだけでなく複数の原因が影響していることもあります。

女性の抜け毛は、男性のように頭頂部やM字型のように局所的ではなく頭全体に広がって進行するびまん性脱毛が多く見られます。びまん性脱毛は、全体的に薄くなっているため症状に気付きにくいことも。

びまん性脱毛は女性特有のホルモンバランスや生活習慣の乱れなどが原因とされています。

他にも円形脱毛症や、ストレス、過度なダイエットも女性の抜け毛の原因として挙げられます。自分の抜け毛の原因を知って、適切にケアしていくためにも、まずは主要な4つの原因について詳しく見ていきましょう。

ホルモンバランスの変化と薄毛の関係

女性ホルモンの変動は、抜け毛の最も大きな要因の一つです。エストロゲン(卵胞ホルモン)には、髪の成長を促進し、抜け毛を抑制する働きがあります。さらに毛髪の成長期を延長し、髪にハリやコシを与える作用も持っています。

しかし、年齢とともにエストロゲンの分泌量は減少し、20代後半をピークに30歳を過ぎると徐々に低下し始めます。更年期に入ると女性ホルモンが急激に減少し、男性ホルモンの影響を受けやすくなります。

結果として、ヘアサイクルが短縮され、細く短い状態のまま抜け落ちる髪が増加してしまいます。つむじがなんとなく薄くなったり、髪のボリュームが気になったりする場合はホルモンが原因の可能性が高いです。

また、産後も急激にホルモンが変化する時期です。しかし産後の抜け毛は多くても、一時的なものと考えて過度に心配する必要はありません。

円形脱毛症の原因はストレスではない?

円形脱毛症は、500円玉程度の大きさの脱毛が見られる症状です。初期は大きな範囲の抜け毛ではないため気づかない方も少なくありません。

円形脱毛症はストレスと大いに関係していると考えられていますが、実は原因は明確に特定されていないのです。自己免疫疾患の一種と言われ、免疫系が毛包を誤って攻撃してしまい発症に至るといわれています。

ストレスも円形脱毛症の発症や悪化に影響するとはいわれますが、遺伝やアトピーなども原因の一つにあげられています。一か所だけが脱毛しているケース、数か所にわたるケース、さらに全身の脱毛にまで及ぶ場合もあります。

脱毛の範囲が広ければ広いほど自然治癒率が低くなってしまう報告もあるため、気になる症状があれば早めに医師に相談してください。

参考:日本皮膚科学会ガイドライン「円形脱毛症ガイドライン 2024」

栄養不足が引き起こす髪のトラブル

栄養不足は髪の健康に深刻な影響を与えます。髪の毛の99%はケラチンというたんぱく質で構成されており、健康な髪を作るためにはアミノ酸が必要です。

体は生命維持を優先するため、栄養が不足すると髪よりも臓器への栄養供給が優先され、髪の成長に必要な栄養が後回しになってしまいます。

髪の健康に必要な栄養素
  • たんぱく質
  • 亜鉛
  • 鉄分
  • ビタミンB群
  • ビタミンD
  • ビタミンE

栄養素が不足すると、頭皮環境を悪化させてしまいます。「ケラチン」と呼ばれるたんぱく質が髪の99%を構成しており、不足すると毛母細胞の分裂が停止し、髪が成長期の途中で抜け落ちてしまいます。

過度なダイエットによる栄養不足は女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンのバランスを崩し、正常な分泌を妨げます。髪の成長が促進されず維持機能が低下し、ヘアサイクルが乱れて休止期や退行期の髪が増加してしまうのです。

間違ったヘアケアが招く脱毛

毎日なんとなくやっているヘアケア。あまり気にしたことはないかもしれませんが、間違っていると抜け毛を増加させてしまいます。

洗浄力の強すぎるシャンプーの使用や、1日に2回以上の洗髪、間違ったシャンプー方法などは頭皮に過度な刺激を与えます。

抜け毛を防ぐ正しいヘアケア方法
  • シャンプーの前にブラッシングして地肌から汚れを浮かせておく
  • お湯だけで頭皮を予洗いする(36℃~38℃のゆるま湯を使用する)
  • シャンプーは手のひらで泡立てる
    (シャンプーの原液を直接頭皮につけると、界面活性剤が頭皮の乾燥や炎症を引き起こしやすくなるため)
  • シャンプーは頭皮の何か所かにわけてのせ、地肌をそっと頭皮マッサージするイメージで洗う
  • シャンプーのすすぎ残しがないように洗い流す
  • トリートメントは頭皮ではなく、髪につけるようにする
  • 清潔なタオルでそっと押さえてタオルドライする
  • ドライヤーで乾かす際、適度に距離をとり、根元から短時間で乾かす
  • 頭皮用ローションや育毛剤は頭皮が清潔な状態で使う

ヘアカラーやパーマはどんなに髪や頭皮にやさしいと言われていても、一定のダメージは与えてしまいます。施術の頻度は高すぎないようにしてください。

他には、長期間同じ分け目や髪型を続けると牽引性脱毛症になりやすいです。ポニーテールのように髪をひっぱりきつく結ぶのを毎日続けると、特定の部位に負荷がかかってしまいます。

引っ張られて髪が抜けると思われていますが、実際には引っ張った部分の頭皮が血行不良を起こし毛根がダメージを受けて抜け毛が増加します。

ヘアケアやヘアアレンジは毎日のことですから、今すぐやり方を見直してみてください。

【年代別】女性の抜け毛パターンと特徴

女性の抜け毛は年代によって原因や症状に大きな違いがあり、それぞれの年代特有の身体的変化や生活環境が深く関わっています。20代~30代では主にライフスタイルの変化やストレス、妊娠・出産による一時的なホルモン変動が抜け毛の原因となることが多いです。

40代~50代以降では更年期による女性ホルモンの急激な減少が抜け毛の主要因となりやすいですが、家庭や仕事からのストレスも見逃せません。

抜け毛の原因が複雑に重なっていることも多いので、自分に合った対策を選びましょう。

20代~30代の女性に多い抜け毛の原因

20代から30代の女性は仕事や結婚、出産などライフスタイルの大きな変化を迎える時期です。生活環境の大きな変化や疲労、ストレスなどに伴う様々な要因が抜け毛を引き起こします。

最近は薄毛を気にしている女性が増加しているともいわれており、早めの対策が求められるでしょう。

無理なダイエットやストレス・生活習慣の乱れ

20代~30代女性の抜け毛の原因は、過度なダイエットと生活習慣の乱れやストレスが多くなります。現代の20代~30代女性は、理想的な体型への憧れから極端な食事制限を行うケースが多く見られます。髪の毛はほとんどがたんぱく質で構成されているため、ダイエットで不足してしまうと髪の健康も損なわれてしまうのです。

さらに、亜鉛や鉄分などのミネラル不足により、毛母細胞の活動が低下し、細く弱い髪しか作られなくなるのも原因の一つといわれます。

ダイエットや栄養不足による薄毛は、ダイエットをやめて栄養を摂れば元通りと考える方も少なくありません。しかし実際には毛根が一度強いダメージを受けてしまうと、なかなか回復しにくい状態になります。

仕事のストレスも深刻になりやすい年代ですから、慢性的なストレス状態に陥っていることも。ストレスは自律神経を乱し、頭皮の血行不良を引き起こします。

ハードな仕事によって睡眠不足や不規則な食事時間も加わると、成長ホルモンの分泌が阻害され、髪の正常な成長サイクルが妨げられてしまいます。

妊娠や出産による産後脱毛症への対処法

産後脱毛症は妊娠・出産を経験した女性の多くが経験する一時的な脱毛症状です。妊娠中は女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンが通常の数十倍から100倍以上に増加し、髪の成長期が延長されて抜けにくい状態になります。

しかし、出産後は急激に増加したホルモンが激減するため、妊娠中に抜けずにいた髪が一気に抜け落ちます。産後2~3ヶ月頃から始まり、6ヶ月頃にピークを迎え、1年程度で抜け毛は落ち着いてくるのが一般的です。

抜ける量がとても多いので不安になりますが、まず「一時的な現象である」と理解してストレスを軽減しましょう。同時に授乳中は母乳に栄養が優先的に送られるため、普段以上に栄養摂取に注意が必要です。バランスの良い食事を心がけ、たんぱく質、亜鉛、葉酸、大豆イソフラボンを積極的に摂取しましょう。

頭皮に優しいアミノ酸系シャンプーへの変更や、軽い頭皮マッサージもストレスを軽減するうえでも効果的です。どうしても気になる場合には、医師に相談してください。

40代~50代は髪質に大きな変化が見られる時期

40代~50代は更年期を迎える時期で、女性の身体にとって大きな転換点です。40代以降の女性は、抜け毛の増加だけでなく、髪質そのものの変化を実感するケースが多くなります。

40代以降に見られる髪質の変化
  • うねり
  • 白髪
  • 髪が細くなる
  • ハリやコシが失われ始める

更年期に入り女性ホルモンが減少した結果、髪のハリやコシが失われ、細く弱々しい髪に変化していきます。スタイリングがなかなか決まらないと毎朝悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

さらに、髪の水分保持力も低下するため、パサつきやうねりが目立つようになったと感じる方も少なくありません。

ホルモンの変化による髪質の悪化

エストロゲンは、髪の成長期を延長し、髪にハリやツヤを与えるのも特徴です。40代後半から50代前半にかけてエストロゲンが急激に減少すると、ヘアサイクルの成長期が短縮され、髪が十分に成長する前に退行期・休止期に移行してしまいます。

脱毛の本数が増えたと実感する時期です。髪が十分に育たないため太くしっかりとした髪が作られなくなり、全体的に髪のボリュームが低下します。

頭皮の乾燥がフケやかゆみを生じさせることも

更年期における女性ホルモンの減少は、頭皮環境にも大きな影響を与えます。エストロゲンの減少により皮膚の保湿機能が低下し、頭皮が乾燥しやすくなります。

乾燥した頭皮は硬くなりがちで、血行不良を引き起こしやすくなります。頭皮の血行が悪くなると、毛根に十分な酸素や栄養が届かなくなり、抜け毛の原因となってしまいます。

さらに、頭皮の乾燥はフケの増加やかゆみを引き起こし、ストレスとなって更なる抜け毛を誘発する悪循環を生み出しかねません。

また、加齢により頭皮のターンオーバーも遅くなるため、10代では28日周期だった皮膚の生まれ変わりが、50代では45日と1.6倍にも延長されます。頭皮のダメージからの回復力も低下してしまいます。

50代以降の女性はびまん性脱毛症が多く見られる

50代以降の女性に最も多く見られるのがびまん性脱毛症で、頭部全体に均等に薄毛が進行する特徴があります。

びまん性脱毛症の特徴
  • 頭髪全体が徐々に薄くなる
  • 初期症状に気付きにくい
  • 50代以降の女性に多く見られるが各年代で起こる
  • 自然治癒はしない

「びまん」とは「一面に広がる」という意味で、男性のAGAのように局所的に禿げるのではなく、頭髪全体が徐々に薄くなっていきます。

びまん性脱毛症は進行が緩やかなため、初期段階では気づきにくく、症状がかなり進行してから自覚するケースが多いのが特徴です。分け目が広がって見えたり、頭頂部の地肌が透けて見えるようになったりした時には、既にある程度進行している状態といえます。

びまん性脱毛症は、更年期以降の女性が多いと言われていますが、実はどの年代にも見られる症状です。若い年代の方でも他の症状に心当たりがないのに抜け毛が増えた、髪のボリュームが減ったと感じたらびまん性脱毛症を疑ってみてもよいでしょう。

また、甲状腺機能の異常も50代以降の女性に多く見られ、甲状腺ホルモンの分泌異常が薄毛を加速させることもあります。
びまん性脱毛症は自然治癒しません。

できるだけ早く気づいて治療するのが回復の鍵となります。専門クリニックを受診し、ミノキシジル、スピロノラクトンなどを使用した治療を受けてください。

抜け毛がひどい時の病院受診の目安

抜け毛がひどい時の病院受診の目安

抜け毛が病的な症状なのか、いつ病院を受診するとよいのか悩んでいませんか。一般的に髪の毛が毎日100本以上抜ける状態が続けば受診といった目安もありますが、気になった時の受診がベストです。

産後の脱毛でない限り、脱毛の原因は自分では突き止められません。「こんな理由で毛が抜けているのかも」と自己判断でケアしてもなかなか頭髪の回復を実感できないのです。

以前に比べて髪全体のボリュームダウンが見られる場合は、やはり受診をおすすめします。抜け毛以外にも頭皮の赤みやかゆみ、炎症の兆候が見られる場合は、皮膚疾患の可能性も考えられるため早めに受診してください。

また、体調不良を伴う抜け毛や、急激に始まった抜け毛なども医師への相談が必要な症状です。

一刻も早く皮膚科を受診すべき症状

今すぐ皮膚科を受診した方がよい症状は、頭皮の皮膚トラブルを伴う抜け毛です。

受診するべき頭皮の皮膚トラブル
  • かゆみや赤みが続く
  • 炎症がある
  • フケが多い
  • 頭皮の脂分が過剰
  • 円形脱毛症
  • 脂漏性脱毛症などの皮膚疾患

頭皮にかゆみや赤み、炎症が見られる場合、フケが異常に多い場合、頭皮の脂分が過剰で脂漏性皮膚炎の可能性がある場合は必ず皮膚科で治療を受けてください。

皮膚疾患が抜け毛の原因であれば、治療によってより早い改善が期待できます。円形脱毛症も皮膚科での治療対象です。円形脱毛症の原因ははっきりとしていないものの自己免疫機序の異常によって起こるといわれています。髪が抜け落ちた部分が小さい場合は自然治癒するケースもありますが、症状が続く場合は専門的な治療が必要になります。

粃糠性脱毛症や脂漏性脱毛症といった皮膚疾患が原因の抜け毛も皮膚科で治療可能です。ステロイドの外用薬や抗生物質、抗真菌薬、抗ヒスタミン薬などの投薬治療が中心になります。

ただ、皮膚疾患ではない場合も早期治療が薄毛の改善しやすさを左右しますので、気になった場合にはすぐに皮膚科に行きましょう。

薄毛専門クリニックと皮膚科の違い

薄毛専門クリニックと皮膚科では、得意とする治療の専門性が異なります。

薄毛専門クリニック皮膚科
FAGAの治療に特化したクリニックが多い皮膚の疾患などを幅広く取り扱う。FAGAの治療にも対応
投薬以外に育毛メソセラピーや自毛植毛など
治療選択肢があるところが多い
主に投薬治療
マイクロスコープなどでの詳細な検査、血液検査など血液検査を行うところもある
毛髪診断士などによる専門的なアドバイス薄毛専門ではない医師の場合もあり
原則として自由診療治療内容によっては保険診療可能
(FAGAは保険診療対象外)
薄毛治療専門クリニックと皮膚科の比較

専門クリニックでは、薄毛治療の中でもAGA治療に特化しています。女性ならFAGA(女性男性型脱毛症)の治療を専門としているところのほうが豊富な治療実績があります。

投薬治療だけでなく、育毛メソセラピーや植毛なども選択でき、血液検査やマイクロスコープを使用した詳細な頭皮チェックも受けられます。毛髪診断士が在籍し、より専門的なアドバイスや相談を受け付けているクリニックも見つかります。

皮膚科では薄毛を含む皮膚の問題を幅広く取り扱います。頭皮のトラブルやAGA以外が薄毛の原因でも対応できます。治療は主に投薬で行われ、ミノキシジルなどの処方も可能ですが専門クリニックほども育毛に関する薬の種類が多くありません。

治療費について大きな違いは、皮膚科では保険診療の対象となるものが多く、専門クリニックは自由診療が基本な点です。

ただし、FAGA治療は保険適用外の自費診療となるため、どちらを選んでもある程度の費用負担は必要です。専門クリニックの方が治療の選択肢は多いですが通院しやすさや医師との相性も考慮して医療機関を選びましょう。

初診で聞かれる内容は?どんな準備をしておくとよい?

皮膚科や専門クリニックでの初診では、問診や触診を行って薄毛の原因や進行状態を特定します。必要によって血液検査や遺伝子検査を行い、治療方針が決定されます。

問診で聞かれることが多い内容
  • 症状
  • 抜け毛が目立ち始めた時期
  • 生活習慣
  • 家族歴

クリニックに行く前にあらかじめ整理しておくとスムーズです。ストレスに関する質問項目を設けているクリニックもあるため、日頃感じているストレスの内容についても答えられるようにしておくとよいでしょう。

頭皮の湿疹や炎症の有無、皮脂やフケの量については医師が目視で判断します。マイクロスコープを用いて頭皮診察を行うクリニックもあります。必要に応じて、血液検査や遺伝子検査を追加で受けるように指示があれば、従ってください、

クリニックに行く前に抜け毛の本数を正確に把握したい場合は、シャンプー前に排水口にネットをつけておく、枕やブラッシング時のブラシなどを確認すると参考になります。健康な人では1日50~100本程度は抜けるため、継続して100本以上抜け続けている場合は異常脱毛の可能性があります。

初診時には、使用している薬剤やシャンプー、整髪料なども聞かれることがあります。また、妊娠・出産の経験、更年期の症状、ストレス要因なども重要な情報となるため、事前にメモにまとめておくと良いでしょう。

女性の薄毛治療方法と症状に応じて選べる治療選択肢

女性の薄毛治療は近年大きく進歩し、症状や希望に応じて治療を選べるようになっています。

内服薬
スピロノラクトン
男性ホルモン(アンドロゲン)の過剰な作用を抑えて発毛を促す
内服薬
パントガール
びまん性脱毛症や分娩後脱毛症などの改善効果
外用薬
ミノキシジル
毛髪の成長促進
毛包を成長期へと移行させる
血流改善
外用薬
プロスタグランジン製剤
ミノキシジルと併用で発毛効果を高める
血行促進
毛根細胞の活性化
注入療法
メソセラピー
注射針で頭皮に発毛や育毛に必要な成分を注入
毛根に栄養を届ける
レーザー治療
低出力レーザー
熱を持たない弱いレーザーを頭皮に照射
毛髪の成長サイクルを活性化
自毛植毛
後頭部を刈り上げて毛包を採取
またはパンチで毛包を採取
後頭部などの薄毛の影響が少ない部分を移植

女性の薄毛は内服薬やミノキシジルの塗布といった治療法を用います。

治療効果を最大化するために、専門医の診断に基づいて複数の治療法を組み合わせることも。ライフスタイルに合わせるのも大切になるので、医師と相談のうえどのような治療を選択するか決定しましょう。

発毛治療で使用される内服薬の種類

女性の薄毛治療において内服薬は、最もよく選ばれている治療方法といえるでしょう。

主要な内服薬
  • スピロノラクトン
  • パントガール
  • ミノキシジル内服薬

スピロノラクトンは本来利尿薬として開発された薬剤ですが、抗男性ホルモン作用により女性の薄毛治療に効果を発揮します。女性ホルモンの減少に反して増えた男性ホルモンを抑制し、ヘアサイクルを正常化させて抜け毛予防へと導きます。

パントガールは世界で初めて女性の薄毛に効果が認められた薬剤です。びまん性脱毛症や分娩後脱毛症に効果が期待できます。栄養素を補給して頭皮環境を整えますので、副作用が少なく毛髪の成長を促せるでしょう

ミノキシジルは外用薬だけでなく内服薬もありますが、内服での使用は日本皮膚科学会のガイドラインでは推奨されていません。医師の指導によって一部のクリニックで使用することもあります。

参考:日本皮膚科学会 男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017 CQ14ミノキシジルの内服は有用か?

パントガールの効果と副作用

パントガールは、世界初の女性の薄毛に効果が認められた薬です。性ホルモンに影響する成分が配合されておらず、安全性の高さにも注目が集まっています。

臨床試験では、3ヵ月間の使用で70%の方の抜け毛が減少、20%の方は抜け毛がほとんどない状態にまで改善した結果もあります。

主成分はパントテン酸カルシウム、ケラチン、シスチンなどの栄養素で、頭皮環境を整えて毛髪の成長を促していきます。抜け毛だけでなく白髪増加の予防や爪の成長を促す、紫外線ダメージの修復効果も期待できます。

継続的、長期的に使用できるのも副作用が少ない成分の安全性の高さによるものです。

スピロノラクトンの使用法

スピロノラクトンは女性の薄毛治療において、FAGA(女性型脱毛症)の改善や抜け毛の予防効果が期待できます。男性ホルモンを抑制する効果によって、ヘアサイクルを正常化していきます。また頭皮の皮脂分泌をコントロールして頭皮環境も改善します。

使用方法は1日1回の内服で、利尿作用があるため朝食後の服用が推奨されます。効果が感じられるようになるまでには1~3ヶ月程度を要し、継続的な服用により効果が維持されます。

調査結果では分量にかかわらず、毛量が増えた方は73.7%(軽度の改善が見られた42.1%、太さやボリュームが増した31.6%)でした。

副作用としては、血圧低下によるふらつきやめまい、ホルモンバランスの変化による乳房痛や生理不順などが報告されています。重篤な副作用として電解質異常や急性腎不全のリスクがあるため、定期的な血液検査による監視が必要です。

ミノキシジルとの併用により相乗効果が期待でき、多くのクリニックで併用療法が実施されています。

メソセラピーは直接頭皮に成分を注入する治療方法

メソセラピーは、発毛に必要な成分を注射針などで直接頭皮に注入する治療法です。女性特有のFAGAによる薄毛に高い治療効果を得られます。

メソセラピーは発毛因子をバランスよく配合した薬剤を、注射により頭皮に注入します。成長因子の不足により停止した毛髪の成長シグナルを再び活性化し、正常なヘアサイクルの回復を図ります。

施術は月1回のペースで行われることが多いです。注入成分には各種成長因子、ATP、コラーゲン合成促進因子などがありクリニックにより薬剤の配合などが異なっています。

痛み軽減のため冷却器具を使用し、施術時間は約30分程度です。効果は通常4~6ヶ月で実感できる方が多く、内服薬治療との併用する場合が多くなっています。

自毛植毛手術と治療費用の目安

植毛手術は女性の薄毛治療における最終的な選択肢として位置づけられ、外用薬や内服薬での治療で十分な効果が得られない場合や、局所的な薄毛に対して適応されます。自毛植毛は毛髪の定着率が高く、自然な仕上がりになります。

適応となる症状は、広範囲のびまん性脱毛症、生え際の後退、分け目の拡大などです。

植毛範囲植毛グラフト(株)数目安毛髪本数目安の費用
浅めのM字修正400~6001,000~1,500本60万円~82万円
やや深いM字800~1,2002,000~3,000本102万円~140万円
頭頂部・つむじ500~1,0001,250~2,500本72万円~121万円
前頭部・頭頂部1,000~1,5002,500~3,750本121万円~171万円
全体的2,000~3,0005,000~7,500本220万円~320万円

手術方法には主に2種類あり、パンチなどで毛根(毛包)を個別に採取するFUE法(毛包単位移植)と、皮膚を切り取るFUT法があります。FUE法は、メスを使わないため傷跡が目立ちにくく、回復期間も短縮されます。

自毛植毛では82.5%と高い生着率であるというデータも得られています。

薄毛改善に高い効果が得られるのですが、やはり料金が気になる方も多いのではないでしょうか。自毛植毛は、移植するグラフト(株)と呼ばれる毛包の数によって費用が決まります。

クリニックにより違いもありますが、植毛の費用自体は基本料金20万円程度に加えて1グラフトあたり990~1,650円程度が相場です。一度の治療で永続的な効果が得られるため、長期的な費用対効果は高いとされています。

女性の薄毛治療にかかる費用相場

女性の薄毛治療にかかる費用は、治療法や利用するクリニックによって大きく異なります。

内服薬治療月額6,000円~15,000円
外用薬治療月額9,000円~15,000円
メソセラピー1クール20万円~80万円
自毛植毛60万円~
一般的な費用相場

薄毛治療は内服薬や外用薬の治療を少なくとも6ヶ月程度行い、その後効果の現れ方によって別の治療を検討します。いずれの治療方法でも効果を得られるまでに一定期間が必要です。

そのため、治療費をある程度見積もっていても効果が十分に感じられなければ、さらに費用が大きくなるケースも想定しておきましょう。

効果を実感するまでには最低3ヶ月、安定した効果を得るためには1年以上の治療期間が必要とされています。

薄毛治療での保険適用と自費診療

女性の薄毛治療は、基本的に保険適用外の自由診療となり、治療費は全額自己負担です。

薄毛治療は「美容目的」の治療とみなされ、生命に関わる病気の治療ではないと判断されます。健康保険が適用されるのは、治療しなければ身体に不調をきたしたり生命に危険が及ぶ病気に限定されており、薄毛は外見のコンプレックスを改善する美容治療として扱われます。

ただし、円形脱毛症は自己免疫疾患として保険診療の対象となり、ステロイド外用薬やステロイド局注療法、ミノキシジル外用療法などが保険適用で治療できます。また、甲状腺機能障害や脂漏性皮膚炎など、病気が原因の脱毛についても、原疾患の治療として保険が適用される場合があります。

さらに、薄毛治療は基本的に医療費控除の対象外でもあり、高額医療費控除や生命保険の給付も多くの場合対象外となるため、費用負担を軽減する制度の利用が難しいのが現状です。

クリニック別料金比較表

主要な女性薄毛治療クリニックの料金を比較すると、以下のような料金体系となっています。

スクロールできます
クリニック内服薬の費用
(税込)
外用薬の費用
(税込)
メソセラピーの費用
(税込)
自毛植毛の費用
(税込)
診察料
(税込)
その他費用
(税込)
オンライン診療
DMMオンラインクリニックミノキシジル2.5mg
1,931円/月~ ※1
ミノキシジルローション2%
7,544円/月~ ※2
無料送料550円
クリニックフォアミノキシジル2.5mg
1,773円/月~
ミノキシジル外用5%
4,362円/月~ ※4
無料
※5
送料550円
AGAスキンクリニックレディースリバースレディ
・スピロノラクトン
・ミノキシジル
・サプリメント
・ミノキシジルリキッド
38,500円/月~
ミノキジェット
33,000円~
基本治療費:220,000円
100グラフト:106,700円~
無料検査無料
AGAメディカルクリニックミノキシジル1mg
14,850円~
Dott Hair for Women リキッド ミノキシジル5%
13,860円~
無料記載なし
リアスクリニックミノキシジル
15,000円
※初回2,980円
20,500円~無料血液検査無料
注釈

※1 発毛ミニプラン・らくらく定期便3ヶ月ごとを選択した場合に適用。初めてDMMオンラインクリニックをご利用の方に限りお一人様1回限り有効。予約時にクーポンコード「dnex」と入力してください。
※2 らくらく定期便12ヶ月ごとを選択した場合の1ヶ月あたり価格
※3 発毛トライアルプランライトの12ヶ月まとめて定期を選択した場合に適用されます。初回のお薬代の総額は21,267円、2回目以降は25,521円。予約時にクーポンコード「12TRY」と入力してください。
※4 まとめて定期12ヶ月分を選択した場合の1ヶ月あたり価格
※5 お薬の処方が無い場合は診察料1,650円(税込)がかかります。

クリニックにより、治療方法が内服薬と外用薬のみ行うところもあります。薄毛の状態によっては、メソセラピーや植毛での治療が必要になるかもしれませんので、クリニック選びの際には確認しておきましょう。

通院が必須のクリニックと、オンライン診療に対応できるところがあるので自分の忙しさなどによってどちらが適しているか検討してください。オンライン診療ができるクリニックは、薬剤を自宅まで送付する流れになります。

料金は各クリニックの代表的なプランを記載していますので、実際に診察を受けると異なるプランや治療方法の提案を受ける場合もあります。

薄毛治療での治療費を抑える方法とコツ

女性の薄毛治療での治療費を抑えるために最も効果的なのは早期治療の開始です。薄毛が進行してから治療を始めると、内服薬や外用薬だけでは改善が期待できず、高額な治療も必要になってきます。

初期段階であれば月額数千円の内服薬治療だけでも十分な効果が期待できる方も多いです。髪のボリュームが減ったと思ったり、抜け毛が増えたと感じたりしたら早めに専門医に相談してください。

クリニックによってはオンライン診療に対応しています。オンライン診療では交通費や通院時間も節約でき、治療期間が長い薄毛治療での最終的な負担を軽くできるでしょう。

複数のクリニックの料金体系を比較してください。薄毛治療は自由診療のため、同じ治療でもクリニックによって費用が大きく異なります。

初診料・再診料・カウンセリング料・血液検査料などが無料のクリニックを選んでおくとトータルで治療費用を抑えられるでしょう。また、薬の定期配送やまとめ買い、長期コース契約で割引が適用されるクリニックもあります。

治療期間や具体的な治療方法を知って治療したいなら、事前にカウンセリングを受けておくとよいでしょう。治療費用の目安も予測しやすくなります。

抜け毛を止める方法はある?自宅でできる女性のためのおすすめ育毛対策4つ

育毛対策を、日常生活の中で無理なく取り入れて継続しましょう。クリニックでの専門治療と並行して、自宅でのケアを組み合わせると、より効果的な薄毛改善が期待できます。

自宅でもできる!育毛対策
  • 頭皮マッサージによる血行促進
  • 育毛シャンプーを選ぶ
  • 育毛剤の使用
  • 内側からの栄養補給

一つの方法だけではなく、複数の対策を組み合わせたトータルケアを実践していきましょう。また、効果を実感するまでには少なくとも3ヶ月から6ヶ月の継続が必要です。すぐに効果が得られなくても、根気よく取り組んでください。

頭皮マッサージの正しいやり方

頭皮マッサージを正しく行うと、頭皮の血流を改善し毛根への栄養供給を促進できます。

頭皮マッサージのコツ
  • 頭にある3つの筋肉を意識する
  • 頭部のツボを意識する

頭部にある3つの筋肉とはおでこから頭頂部へ向かう「前頭筋」、両側の耳の上にある「側頭筋」、後頭部にある「後頭筋」です。3つの筋肉をほぐすイメージで頭皮マッサージを行ってください。マッサージは以下のような流れです。

  • 手のひらの手首に近いふくらんだ部分を筋肉に押して頭皮全体を大きく動かすようにほぐしていきます。
  • 5本の指先で頭皮をつかむように置き、指先の位置を動かさずに頭皮を押した状態で3回ほど円を描くようにもんでください。少しずつ指先をずらして頭皮全体をもむようにマッサージしていきます。
  • 頭皮の血流を良くするツボを親指の腹で押します。代表的なツボは次の4つです。
百会(ひゃくえ)

両耳の先端を結ぶ線と顔の中心線の交差点。頭頂部のほぼ真ん中

通天(つうてん)

百会から左右両側に少しずれた2点

天柱(てんちゅう)

首のうしろにある太い筋肉2本それぞれの両外側のくぼみ

風池(ふうち)

天柱のすぐ外側1㎝ほど上にずらした2点

押し方のコツは、少し痛みを感じる程度で1回あたり5~10秒押します。3~5回程度繰り返してください。筋肉のマッサージとツボ押しをトータルで1日2回、1回あたり5分程度行いましょう。

忙しい方はマッサージの時間を取るのもなかなか難しいので、シャンプー時に意識して行うと毎日続けやすくなります。

育毛シャンプーの選び方

育毛シャンプーは、健康な髪が育ちやすい土台作りには不可欠です。選び方のポイントは以下の3つです。

頭皮に優しいアミノ酸系やベタイン系

硫酸系の強い洗浄成分は必要な皮脂まで洗い流してしまい、頭皮の乾燥や過剰な皮脂分泌を引き起こす可能性があります。

女性特有の頭皮ケア成分配合

ソイセラム(豆乳発酵液)、大豆イソフラボン、エイジングケア成分などは女性特有の髪の悩みに合わせた成分です。

ノンシリコンシャンプー

シリコンは髪に膜を張り、毛穴を防いで頭皮環境を悪化させるといわれています。

頭皮環境は、乾燥しがちな方や油分が多い方など個人差があります。育毛ケアができる成分が配合されたシャンプーでも、自分の頭皮の状態に合わせたものを選ばないといけません。

育毛剤はどう選ぶ?

ドラッグストアなどで育毛剤を購入してケアする場合には、成分や使い方に注意しましょう。

育毛剤に使用されている主な有効成分
ミノキシジル

医薬品として発毛や育毛効果が認められている成分

アデノシン

ビタミンの一種で血管拡張作用があり、毛母細胞を活性化

t-フラバノン

髪の成長を抑えるたんぱく質を抑制。髪の成長期を維持しやすくなる

サイトプリン

細胞分裂を促す植物ホルモンの一種

センブリエキス

頭皮下の血行を促進することで、毛母細胞を活性化させる植物由来成分

育毛剤は使い始めて徐々に効果を感じるものですから、気長に継続しましょう。ただし、持病があり薬を服用している方、心臓や血圧に問題がある方は自己判断で使用せず必ず医師に相談してください。

サプリメントで栄養を補い内側からケア

サプリメントは内側からの栄養補給による頭皮環境改善に有効です。ただし、サプリメントは栄養補助食品であり、飲んだだけで発毛効果が得られるものではありません。あくまで健康な髪が育ちやすい環境づくりを目的としています。

女性の抜け毛予防におすすめの栄養素
亜鉛

髪の主成分ケラチンは、アミノ酸から生成されますが、その際に欠かせない成分が亜鉛です。普段の食事では必要量を摂取するのが難しい栄養素ですので、サプリメントを使いましょう。

ビオチン

ビタミンHとも呼ばれるビタミンB群に属するビタミンです。毛細血管を丈夫にして血行をよくし、血液の循環を促進するため頭皮環境を整えるためになくてはなりません。

L-リジン

毛髪の主成分ケラチンの生成を促進します。L-リジンは体内で生成できない成分ですので、サプリメントで効率良く摂るのがおすすめです。

ビタミンE

抗酸化作用と血行促進効果が期待できます。毛母細胞に栄養を届ける、活性酸素を除去する、女性ホルモンをサポートするといった働きがビタミンEにはあります。

コラーゲンペプチド

コラーゲンを消化吸収しやすくしたものです。美肌効果の高さで人気が高いサプリですが、頭皮環境や髪質改善効果も期待できます。

鉄分

月経などで不足しがちな栄養素で、毛根への酸素や栄養分供給に必要です。不足してしまうと、毛髪が細くなったり抜け毛が増えたりします。

イソフラボン

大豆イソフラボンが腸内で変化して生成される「エクオール」は女性ホルモンエストロゲンと似た作用で、不足を補います。

サプリメントの過剰摂取は逆効果になる可能性があるので指定用量を守ってください。効果を実感するには最低3ヶ月以上の継続が必要で、医薬品を服用中の方は飲み合わせに注意が必要です。

サプリメントを摂っていれば食事は気にしなくていいと考える人は多いのですが、そうではありません。サプリメントは食事の代替ではなく、バランスの良い食事を基本とした上で補助的に使用するのが望ましいです。

抜け毛予防のための生活習慣改善

抜け毛を予防するには、生活習慣を見直してみましょう。健康な髪を育てるための土台作りは、毎日の小さな積み重ねから始まります。

髪は体の一部であり、体全体の健康状態が髪の成長に直接影響を与えます。過度なダイエットや睡眠不足、ストレス、運動不足などの不規則な生活習慣は、ホルモンバランスの乱れや血行不良を引き起こし、抜け毛の原因となってしまいます。

髪に良い食べ物と栄養バランス

女性の髪を健やかに保つためには、バランスの取れた食事で髪の生成に必要な栄養素を積極的に摂取しましょう。

積極的に摂りたい栄養素と食品
  • たんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品)
  • 亜鉛(牡蠣、豚レバー、牛肉、ごま、アーモンド)
  • ビタミンA、C、E(緑黄色野菜)
  • ミネラル、カロテン(海藻類)

髪の主成分であるケラチンはたんぱく質で構成されているため、肉類、魚類、卵、大豆製品などの良質なたんぱく質を毎食手のひらサイズを目安に積極的に摂ってください。魚や大豆製品は必須脂肪酸も同時に摂取できるため、髪の健康に効果的です。

また、ケラチンの合成に不可欠な亜鉛も重要な栄養素で、牡蠣、豚レバー、牛肉、ごま、アーモンドなどに豊富に含まれています。亜鉛は体内で作れないため、食事から積極的に摂取する必要があります。ビタミンCと一緒に摂ると吸収率が向上するため、柑橘類やパプリカと組み合わせたメニューがおすすめです。

緑黄色野菜に含まれるビタミンA、C、Eも頭皮環境の改善に重要で、新陳代謝を促進し髪にハリやツヤを与えるコラーゲンの生成をサポートします。海藻類にはミネラルやカロテンが豊富で、頭皮を良い状態に導く働きがあります。

質の良い睡眠で成長ホルモン分泌

美しい髪は、良質な睡眠中に分泌される成長ホルモンによって作られています。成長ホルモンは、髪や頭皮の細胞を修復・再生し、健康な髪の成長を促進するのが重要な役割です。成長ホルモンは睡眠中のみ分泌され、特に入眠後3時間以内の深いノンレム睡眠時に最も多く分泌されます。

22時から深夜2時は「シンデレラタイム」とよく言われますが、時間帯に関係なくまとまった睡眠時間を確保するように意識してみましょう。

睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌量が減少し、髪の成長が妨げられ、細く弱い髪が抜けやすくなってしまいます。忙しい方は難しいと感じるかもしれませんが最低でも6時間以上、理想的には7~8時間の睡眠時間を確保してください。

睡眠の質を高めるためには、就寝1~2時間前にぬるめのお風呂にゆっくり浸かったり、軽いストレッチを行ったりしましょう。

また、カフェインを含む飲み物は午後6時以降は控え、寝室の照明やベッド、枕などの環境を整えておくとより深い眠りにつけます。

運動不足解消で血行を促進して抜け毛予防

運動不足は全身の血行を悪化させ、頭皮への栄養供給を妨げて抜け毛につながってしまいます。運動により筋肉がリズミカルに収縮すると、心臓から送り出された血液がスムーズに循環し、頭皮の毛根に必要な酸素と栄養が効率的に運ばれます。

抜け毛予防に効果的な運動
  • ウォーキング
  • ジョギング
  • ヨガ
  • ストレッチ

おすすめは有酸素運動です。基礎代謝を向上させ、血行促進効果が期待できます。中でもヨガやストレッチは呼吸を意識しながらリラックスして行えるため、ストレス解消効果も同時に得られます。

時々激しい運動をするよりも軽い運動を毎日習慣化する方が血行促進には効果的です。エレベーターではなく階段を使う、一駅分歩く、首や肩のストレッチを行うなど、日常生活に取り入れやすい運動から始めてみましょう。

ストレス解消法と心のケア

ストレスは現代女性の抜け毛の大きな原因の一つです。ストレスは自律神経やホルモンバランスの乱れを引き起こし、髪の成長にも悪影響を与えます。

過度なストレスを受け続けると、交感神経が優位になり血管が収縮して頭皮への血流が滞ります。また、ストレスによって女性ホルモンのエストロゲンの分泌が減少し、男性ホルモンが増加して皮脂の過剰分泌や頭皮環境の悪化を招きます。

さらに、ストレス時に消費される亜鉛は髪の主成分ケラチンの生成に必要な栄養素のため、亜鉛不足により髪の成長が阻害されてしまいます。

効果的なストレス解消法として、五感に働きかける方法がおすすめです。好きな音楽を聴く、アロマの香りを楽しむ、緑の多い場所を散歩する、温かいお風呂にゆっくり浸かるなど、自分がリラックスできる方法を見つけてください。

また、親しい人との会話も、ストレス解消には効果的です。ストレスの完全な回避は困難ですが、自分に合った解消法を見つけて上手に付き合っていきましょう。

抜け毛が気になると、さらにストレスが増える悪循環に陥りやすいので受診して治療を受け、「改善できる」という前向きな気持ちにつなげていくのも良い方法です。

女性の抜け毛についてよくある質問

女性の抜け毛に関する悩みは一人ひとり異なります。髪に関する悩みは周囲の人に聞くのも難しいですし、気になりながらも具体的な対応ができないまま時間が経ってしまっていませんか。

抜け毛、薄毛の治療はできるだけ早く始めたほうがよいですから、正しい知識で自分の症状や抜け毛の原因を知っておくのは大切です。

ここでは、誰もが気になりやすい女性の抜け毛に関する疑問について詳しく解説します。

1日200本以上抜けたら異常ですか?

1日に髪が自然と抜ける本数は、通常約50~100本と言われています。これは髪の総数の0.1%程度です。もし毎日200本以上抜けている場合は、自然な抜け毛ではなくストレスや頭皮トラブル、疾患などを疑ったほうがよいでしょう。

ただし春や秋は、花粉やアレルギーによる皮膚トラブル、ストレス、紫外線などが頭皮に影響を与え、抜け毛が増えることがあります。

異常な抜け毛の見分け方は、本数だけでなく毛根の状態も確認してください。正常な抜け毛の場合、毛根は丸い形をしており毛根鞘(もうこんしょう)と呼ばれる半透明のもので覆われています。

一方、異常な抜け毛では以下のような特徴が見られます。

  • 毛根が黒いまま抜けている
  • 毛根に白いベタベタした皮脂が付着している
  • 毛根の形が異常であったり、毛根がなかったりする

毛根の状態が変化していると、ヘアサイクルに異常をきたしている可能性があります。

抜け毛が危険なサインとは?

抜け毛の危険なサインは下記の3つです。

  • 抜け毛が100本を超えて毎日続く
  • 毛根が黒い、ふくらみがない
  • 細く柔らかい毛が大量に抜ける

抜け毛に変化を感じたら、薄毛になってしまう前に原因を把握して対策したほうがよいでしょう。ブラッシング後などに定期的に毛髪をチェックしてください。

女性の髪が抜けてしまうような内臓の病気はありますか?

髪が抜ける原因はいくつかありますが、内臓などの病気が理由の場合もあります。

抜け毛が多く見られるのは、甲状腺の病気(バセドウ病、橋本病)、膠原病、肝臓の病気、鉄欠乏性貧血などです。他にも卵巣嚢腫や子宮関連の病気でも女性ホルモンのバランスが乱れ、髪に影響が出る場合もあります。

内臓の病気は原因を特定して治療する必要があるので、抜け毛以外に体調の変化等がある場合にはすぐに皮膚科や内科を受診してください。

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