髪の健康は、日々の食事習慣によって大きな影響を受けると考えられています。
「髪が細くなった気がする」
「抜け毛が増えたように感じる」
「ハリやコシが弱くなった」
といった悩みを抱える方は少なくありません。外側からのケアも大切ですが、体内で不足している栄養素があると、髪や頭皮のコンディションに影響が出ることもあります。
本記事では、髪にいい食べ物とされる食材を10種類ご紹介し、それぞれに含まれる栄養素や食生活に取り入れる工夫を解説します。忙しい日常でも無理なく続けられるよう、簡単レシピやコンビニ食材の活用法、栄養を組み合わせる工夫などもお伝えします。
さらに、髪や頭皮に負担をかける可能性がある食習慣についても触れています。食生活を見直すことで、髪の状態をより良く保つための参考にしてみてください。なお、食べ物の影響には個人差がありますので、無理のない範囲で実践しましょう。
髪にいい食べ物を選ぶ前に知っておきたい基礎知識

髪の健康を意識する際には、外側からのケアだけでなく、体内からの栄養補給も重要とされています。
髪は毛根の奥にある毛母細胞からつくられ、毛細血管を通して栄養を受け取ります。栄養が不足すると、髪の成長に影響が出る場合があるため、食事から必要な成分を取り入れることが望ましいと考えられます。
特定の栄養が不足すると髪質の変化を感じることがあるため、髪にいい食べ物を意識して取り入れることが役立つといわれています。ここでは髪の構造や栄養素の基本的な役割について確認していきましょう。
髪の毛の構造と栄養素の役割
髪の毛は「キューティクル」「コルテックス」「メデュラ」の3層からできており、その約8~9割はタンパク質で構成されています。その中心となるのが「ケラチン」と呼ばれるタンパク質です。
ケラチンは複数のアミノ酸からできており、中でも「シスチン」という成分を含みます。シスチンは髪の形状やしなやかさに関わるとされています。
髪を健やかに保つために意識したい栄養素は大きく3つです。
- タンパク質
- ビタミン類(B群、C、Eなど)
- ミネラル類(亜鉛、鉄、カルシウム、銅など)
ビタミンB群の一部である葉酸は、タンパク質の代謝を助ける働きがあるといわれています。ビタミンCは体内でコラーゲンの合成をサポートし、ビタミンEは体を酸化から守る働きがあるとされます。
ミネラルでは、亜鉛がタンパク質の合成に関わり、鉄分は酸素の運搬に不可欠です。カルシウムや銅も体の働きに関与する栄養素として知られています。これらはバランスよく摂ることが望ましいとされています。
いつ食べると良い?食べ物の摂取タイミングと工夫
栄養素の吸収を考えると、摂るタイミングや食べ合わせにも工夫できるポイントがあります。
タンパク質は無理なく続けやすいタイミングで
タンパク質は朝食や運動後に摂ると、エネルギー補給や満足感を得やすいとされます。夕食でも豆腐や卵など調理しやすい食材を取り入れると、無理なく続けやすいでしょう。
ビタミンは水溶性と脂溶性で摂り方が異なる
ビタミンには「水溶性」と「脂溶性」があります。
脂溶性ビタミン(A、E、D、K)は油と一緒に摂ることで吸収が良いとされます。ただし蓄積されやすいため、過剰摂取には注意が必要です。
水溶性ビタミン(CやB群)は体に蓄積されにくいため、毎食こまめに取り入れるのが望ましいとされています。
ミネラルは三食でバランスよく摂りたい栄養素
亜鉛や鉄分なども三食でバランスよく取り入れることが推奨されます。間食にナッツを取り入れるのも一つの工夫です。
カルシウムは夜に摂ると体に吸収されやすい可能性が指摘されています。例えば夕食や就寝前の温かいミルクなどは、習慣化しやすい方法の一つです。ただし、寝る直前に食べ過ぎると消化に負担がかかる場合もあるため注意しましょう。
このように「髪にいい食べ物」は、毎日の食事の工夫で無理なく取り入れられます。栄養素の働きや特徴を理解し、偏りのない食生活を意識することが、髪を含めた全身の健康につながります。なお、体質や生活習慣によって感じ方には個人差があるため、自分に合った方法を無理なく継続することが大切です。
髪の土台を支える!タンパク質を多く含む食べ物4選
髪を含めた体の健康を考える上で、タンパク質は欠かせない栄養素です。タンパク質は筋肉や臓器、血液など生命維持に重要な部分に優先的に使われるため、摂取量が不足すると髪や頭皮に影響が及ぶ可能性があります。
ここでは、タンパク質を多く含み、日常的に取り入れやすい代表的な食材を4つ紹介します。髪の主成分であるケラチンの材料となるタンパク質をはじめ、体の働きを助ける栄養素も含まれているため、バランスのよい食事づくりの参考にしてみてください。
- 卵
- 鮭
- 大豆製品
- 鶏むね肉
卵に含まれる栄養と髪にいい食べ物としてのポイント
卵は「完全栄養食品」とも呼ばれるほど、多くの栄養素を幅広く含んでいる点が特徴です。タンパク質に加えて、ビタミンB群の一種であるビオチンや亜鉛、カルシウムなども含まれています。
ビオチンは体内でタンパク質の代謝に関与するとされ、髪の構成成分であるケラチンとの関わりが注目される栄養素です。
ただし、生卵の卵白に含まれる「アビジン」はビオチンの吸収を妨げる可能性があるため、加熱調理すると吸収しやすいと考えられています。ゆで卵や卵焼きなど、無理なく続けられる調理法で取り入れるのがおすすめです。
鮭は良質なタンパク質とオメガ3脂肪酸を含む
鮭はタンパク質を含むだけでなく、魚特有の脂質であるオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)を多く含む食材です。これらは体の健康維持に関与するとされ、食生活に取り入れる価値のある栄養素といわれています。
また、鮭の赤い色素成分「アスタキサンチン」も抗酸化作用を持つとされ、体の酸化ストレスに対抗する働きが研究されています。こうした点から、髪だけでなく全身の健康を意識する際にも参考になる食材といえるでしょう。
調理法としては、ホイル焼きやスープ煮にすることで、脂に含まれる成分を逃しにくいといわれています。
大豆製品はイソフラボンが含まれている
大豆は植物性タンパク質の代表格で、納豆・豆腐・豆乳・味噌など日常的に取り入れやすいのが魅力です。大豆に含まれる「イソフラボン」は、女性ホルモンのエストロゲンと似た化学構造を持つ成分で、体内でさまざまな働きに関わることが知られています。
発酵食品である納豆は栄養の吸収が良いとされ、血流や代謝に関わる成分「ナットウキナーゼ」を含む点でも注目されています。
鶏むね肉は低脂肪・高タンパクの食材
鶏むね肉は脂肪分が比較的少なく、タンパク質を多く含む食材です。皮なしの場合は脂質が少なく、ヘルシーに取り入れやすい特徴があります。
さらに、ビタミンB6やナイアシンなど、タンパク質の代謝を助けるとされる栄養素も含まれています。これらは体内で摂取したタンパク質を効率的に利用する上で役立つと考えられています。
調理の際は、加熱するとパサつきやすいため、下味をつけたり蒸し焼きにしたりすると食べやすくなります。経済的にも入手しやすいため、日常の食事に取り入れやすい食材の一つです。
髪の成長を意識したビタミン豊富な食べ物3選
髪の健やかな成長には、さまざまな栄養素が関わっています。なかでもビタミンやミネラルは体の代謝や健康維持に欠かせない成分であり、不足すると全身のコンディションだけでなく髪の見た目にも影響することがあります。
ビタミンには細胞の生成や修復に関わるもの、栄養の吸収を助けるものなどがあり、髪にとっても重要と考えられています。代表的なものを整理すると以下のとおりです。
| ビタミンA | 頭皮を乾燥から守るはたらきに関与 |
|---|---|
| ビタミンB群 | エネルギー代謝や栄養素の利用に関与 |
| ビタミンC | 体内でのコラーゲン生成に必要 |
| ビタミンE | 酸化から体を守る働きに関与 |
ここでは、こうしたビタミンを豊富に含み、日常生活に取り入れやすい3つの食材を紹介します。毎日の食事に少しずつ取り入れることで、栄養バランスを整えることにつながります。
- ほうれん草
- アボカド
- ナッツ類
ほうれん草は鉄分やビタミンを含む栄養バランスの良い食材
ほうれん草は、ビタミンA、C、葉酸、鉄などをバランスよく含んでいる緑黄色野菜です。鉄分は赤血球の材料となる栄養素であり、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収が助けられることが知られています。
また、冬に収穫されるほうれん草は夏に比べてビタミンCの含有量が高いとされ、旬の時期に食べるとより効率よく栄養を摂れるでしょう。日々の献立に取り入れやすく、髪にいい食べ物としても注目される食材です。
アボカドはビタミンEや良質な脂質を含む
アボカドには、脂溶性ビタミンであるビタミンEや、不飽和脂肪酸が多く含まれています。これらは体内で酸化を防ぐ役割に関わっており、栄養バランスの良い食生活に役立ちます。
ただし、脂質を多く含むためカロリーも高めです。1日あたり半分程度を目安に、サラダやトーストにのせて摂取すると無理なく取り入れやすいでしょう。摂り過ぎを避け、適量を楽しむことが大切です。
ナッツ類はビタミンとミネラルをバランス良く摂取できる
| アーモンド | ビタミンE、亜鉛 |
|---|---|
| クルミ | ビタミンE、ビタミンB6 |
| カシューナッツ | ビタミンB1、ビタミンK |
ナッツ類にはそれぞれに特徴的な栄養素が含まれています。亜鉛やマグネシウムといったミネラルも摂取できるため、髪の健康を意識した食生活に取り入れやすい食品です。
おやつや料理のトッピングとしても使いやすく、無塩・無油のローストタイプを選ぶとより自然に続けられます。目安としては片手に軽く一杯程度。過剰に摂るとエネルギー過多になりやすいため、適量を守ることが大切です。
髪質を意識したい方におすすめのミネラルを含む食べ物3選
髪の状態を保つには、ビタミンだけでなくミネラルも欠かせない栄養素です。亜鉛や鉄分、ヨウ素といった成分は体の代謝やホルモンの働きに関わり、間接的に髪の見た目や質にも影響すると考えられています。
| 亜鉛 | 体内でタンパク質がつくられる過程に関与 |
|---|---|
| 鉄分 | 赤血球の材料となり、全身に酸素を運ぶ役割 |
| ヨウ素 | 甲状腺ホルモンの主成分として基礎代謝に関与 |
ここでは、ミネラルを豊富に含み、髪にいい食べ物として知られる3つの食材を紹介します。
- 牡蠣
- 海藻類
- レバー
牡蠣は亜鉛を多く含む食材
牡蠣は亜鉛を豊富に含む代表的な食材です。100gあたりおよそ14mgの亜鉛が含まれ、これは成人1日の推奨摂取量(男性11mg・女性8mg)を上回る量に相当します。
また、タウリンやリジン、銅といった成分も含まれており、栄養バランスの面でも注目されています。レモンやブロッコリーなどビタミンCを多く含む食材と一緒に食べると、亜鉛の吸収が助けられるといわれています。
海藻類はヨウ素やカルシウムを含む食品
わかめ、昆布、のりといった海藻類はヨウ素をはじめ、カルシウムや食物繊維などさまざまなミネラルを含んでいます。ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料となり、体の基礎代謝に関わる成分です。
「海藻を食べると髪が増える」といった言い伝えもありますが、科学的に直接的な効果があるわけではありません。栄養補給の一環として、日常の食事に無理なく取り入れるのがよいでしょう。
ただし、ヨウ素は摂り過ぎに注意が必要です。ヨウ素の推奨摂取量は1日あたり約150μgとされ、昆布などは少量でも多くのヨウ素を含むため、バランスを意識することが大切です。
レバーは鉄分と亜鉛を含む食材
レバーは鉄分と亜鉛を含み、特に豚レバーは100gあたり鉄が約13mg、亜鉛が約6.9mg含まれているとされています。鉄分は血液中の成分として重要であり、吸収率の高い「ヘム鉄」を多く含む点が特徴です。
ただし、豚レバーはビタミンA(レチノール)の含有量が多いため、過剰に摂ると体に負担をかける可能性があります。ビタミンAの1日あたりの耐用上限量は成人で1日3,000μgとされており、摂取の際は週1〜2回、少量を取り入れる程度が安心です。
髪にいい食べ物を毎日の食事に取り入れる方法

髪質改善のために必要な栄養素がわかっても、忙しい日常の中で継続して食べるのは簡単ではありません。手間のかからないレシピや手軽なコンビニ食材なら毎日の食事に取り入れやすいでしょう。
いきなり献立を作って全部自分で作ろうとせず、できそうなことを少しずつ実践するのがコツです。
忙しい人でも続けられる簡単レシピ
忙しい毎日でも髪にいい栄養を摂取できる、15分以内で作れる簡単レシピと作り置きを活用しましょう。
髪にいい栄養を効率的に摂取するには、一品で複数の栄養素を摂れる料理がおすすめです。

- 卵でタンパク質とビオチンが摂れる
- ほうれん草で鉄分と葉酸を同時に摂取可能
材料
- 卵 2個
- ほうれん草 1束
- ごま油 大さじ2
- 鶏ガラスープの素 大さじ1
- しょうゆ 大さじ1
作り方
- 熱したフライパンに溶き卵を入れていり卵を作り取り出す
- ほうれん草は4~5cmに切ってごま油で炒める
- ほうれん草を1分ほど炒めたら鶏ガラスープの素、しょうゆ、取り出しておいたいり卵を加えてさらに1分ほど炒める

- レバーで鉄分、ビタミン、葉酸を摂れる
- ひじきは鉄分、カルシウム、食物繊維、βカロテンが豊富
材料
- 乾燥ひじき 40g
- レバー 100g
- 長ネギの青い部分 10cm
- 生姜 1片
- だし汁 1.5カップ
- しょうゆ・みりん 各大さじ2
- 酒・砂糖 各大さじ1
作り方
- 乾燥ひじきを水につけて戻し食べやすい大きさに切る
- レバーは水洗いしてから水に浸して血抜きしてから一口大に切って中の血もしっかりきれいにしておく
- 小鍋に湯を沸かし長ネギ、生姜、レバーを入れ2分ほど茹でたあとそのまま冷ます
- 別鍋にだし汁、しょうゆ、みりん、酒、砂糖を入れて煮立てる
- 煮立ったらレバーとひじきを加えて落し蓋をし、汁気がなくなるまで煮る
※分量は4日分ほどで冷蔵庫で4~5日保存可
作り置きは休日に作っておくのがおすすめです。他にも朝食としてアサイースムージーを作る際に、冷凍フルーツを使えば、時短メニューになります。
コンビニ食材で作る髪にいい食事メニュー
コンビニを活用して手軽に髪にいい栄養バランスの整った食事を摂りましょう。コンビニで買いやすく、髪にもいい食べ物をご紹介します。
| 玄米おにぎり | ビタミンE、亜鉛など |
|---|---|
| サラダチキン | タンパク質 |
| ゆで卵 | タンパク質、ビオチン |
| 海藻サラダ | ミネラル、ビタミン、ヨウ素など |
| 納豆 | 大豆イソフラボン、たんぱく質、鉄分 |
| バナナ | ビタミン、カリウムなど |
コンビニで買う際にはできるだけ単品ではなく、主食と主菜を組み合わせましょう。副菜やおやつでも必要な栄養素を補うと完璧です。
すぐに食べられるものばかりですので、自分で作る時間がなかったときの昼食や夕食に取り入れていきましょう。
食材の組み合わせで栄養を取り入れやすくする工夫
栄養素には相性があり、同時に摂ることで体内での利用効率が変わることが知られています。髪の健康を意識する場合も、こうした組み合わせを考えると食事の満足度が高まります。
| 栄養素の組み合わせ | 食材の例 | ポイントや注意点 |
|---|---|---|
| 鉄 × ビタミンC | レバー × ブロッコリー | ビタミンCを一緒に摂ると鉄の吸収が助けられるとされる |
| 亜鉛 × ビタミンB・C | 牡蠣 × ほうれん草、レモン | 食物繊維やカフェインの摂りすぎは吸収を妨げる場合がある |
| 脂溶性ビタミン(A・D・E・K) × 油 | にんじんやほうれん草の油炒め | オリーブオイルやアマニ油を使うと摂りやすい |
| タンパク質 × ビタミンB6 | 鶏肉 × パプリカ、魚 × アボカド | タンパク質が多い食事のときはB6も意識したい |
買い物や調理のときに「どの食材と組み合わせようかな」と考えるだけでも、食事の栄養バランスが整いやすくなります。
難しく考えず、いつもの調理法を少し変えてみるのもよい工夫です。
髪にとって好ましくないとされる食習慣とは?

「髪にいい食べ物」を意識するのと同じくらい、過剰に摂りすぎないほうがよいとされる食習慣もあります。
偏った食事や生活習慣は、髪の見た目や質に影響することがあるため注意しましょう。
摂りすぎに注意したい栄養素
- 脂質:揚げ物やファストフードなどは血流や皮脂バランスに影響を与える可能性がある
- 糖質:甘いお菓子の摂りすぎは血糖値の急上昇や生活習慣への負担となる
- 塩分:塩分過多は血圧や体内環境に影響を及ぼすため、味付けは控えめに
また、アルコールも摂りすぎには注意が必要です。分解の過程で体に負担をかけ、ホルモンバランスの乱れや栄養利用効率に影響するといわれています。
髪に影響しやすい生活習慣の例
髪の状態は食事だけでなく、生活習慣の影響も受けやすいと考えられています。
- 極端なダイエット:必要な栄養素が不足する可能性がある
- 不規則な食事時間:体内リズムの乱れにつながる
- 栄養の偏り:タンパク質不足や過剰な糖質摂取などは髪の材料や代謝に影響しやすい
過度なダイエットや夜遅い食事は体への負担が大きく、髪のためにも控えたほうが無難です。
髪にいい食べ物に関するQ&A
髪の健康を維持するためには、食事に気を付けようと思っている方もまだ気になる点や疑問があるのではないでしょうか。
「これを食べても大丈夫なのかな?」「ヘアケアだけでも今のところ問題ないからそんなに食べ物に注意しなくてもいいのでは?」と思っている方に参考になる点について回答しています。
