女性ホルモンを増やす方法とは?過不足の影響とホルモンケア

女性ホルモンを増やす方法とは?過不足の影響とホルモンケア

多くの女性が感じている「最近肌の調子が悪い」「疲れやすくなった」「生理周期が不安定」といった体調の変化は、女性ホルモンのバランスが関係しています。

女性ホルモンは美容や健康に大きくかかわっていますが、実は食べ物などで増やすことはできません。

女性ホルモンを増やせないなら、どうしたらホルモンをケアできるのでしょうか。ホルモンバランスを整える、女性ホルモンに似た働きをする成分を摂取するといった対策ならすぐできます。

本記事では、女性ホルモンの正しい知識から女性ホルモンが多い場合や少ない場合の身体への影響、毎日できる簡単なホルモンケアまで詳しく解説しています。

大豆イソフラボンやエクオールなどの有効成分、心がけたい生活習慣、更年期指数でのセルフチェック方法も紹介。読み終える頃には、女性ホルモンとの上手な付き合い方が分かるでしょう。

目次

女性ホルモンを増やすにはどうしたらいい?バランスを整えるポイント

女性ホルモンを増やすにはどうしたらいい?バランスを整えるポイント

身体の不調の対策として女性ホルモンを増やそうと考える方も多いですね。しかし女性ホルモンは食べ物などでは増やせず、過剰になると健康に悪影響になる場合もあります。

女性ホルモンには、卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンの2種類があります。生涯にわたって分泌される女性ホルモンの総量はティースプーン1杯程度とされています。

女性ホルモンは20代後半から30代前半をピークに、年齢とともに自然に減少し閉経前後には激減。女性特有の不調といわれる不安感、イライラ、発汗などは女性ホルモンの低下により起こるケースが多いのです。

不調をなんとかしたいと思っても女性ホルモンは増やせないので、「バランスを整える」「減少を抑制する」方法で対策しましょう。

女性ホルモンを直接増やすことができない理由

女性ホルモンの分泌量は脳の視床下部と脳下垂体からの指令により、卵巣でコントロールされています。

閉経前後の45~55歳頃には、卵巣内の卵胞が減少し、エストロゲンの分泌が激減します。エストロゲンは卵胞ホルモンとも呼ばれ、もう一つの女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)と共に排卵や月経をコントロールしています。

エストロゲンの働き
生殖機能の維持

子宮内膜を厚くしたり、受精卵の着床を助ける。乳房の発達を促す

自律神経を安定させる

エストロゲンが十分にあると情緒が安定しやすい

骨や血管の健康維持

骨形成を促進し骨量を保つ、コレステロールのバランスを整える

肌のハリや潤いを保つ

コラーゲンの生成を助け、膣粘膜の厚みや潤滑を保つ

エストロゲンの減少は自然な老化の一部であり、サプリメントを摂取したり生活習慣を改善したりしても、若い頃のような分泌量には戻せません。

また、エストロゲンが過剰になると、子宮筋腫や乳腺症などのリスクが高まるため、むやみに増やそうとするのは危険でもあります。医学的にも女性ホルモンは「増やす」よりも「バランスを整える」「補う」ことが重視されているのです。

また、エストロゲンは、髪の成長期を維持し、豊かな髪を育む役割を担う重要な女性ホルモンです。通常は体内の男性ホルモンの働きを抑制していますが、加齢や更年期で分泌量が減少すると、男性ホルモンの影響が相対的に強まります。

これにより髪の成長サイクルが短縮し、1本1本が細く薄くなる女性特有のAGA「FAGA(女性型脱毛症)」が進行することにも影響します。

今日からできるホルモンバランスを整える生活習慣

女性ホルモンのバランスを整える4つの柱
  1. 質の良い睡眠
  2. 適度な運動
  3. 上手にストレスと付き合う
  4. バランスの取れた食事

毎日7時間程度の睡眠時間が理想的ですが、忙しい方はなかなか難しいのではないでしょうか。十分な睡眠時間を取るのが難しい場合も、睡眠の質にこだわってみましょう。

睡眠不足は視床下部や脳下垂体に影響を与え、ホルモン分泌を乱す原因となるためです。夜12時までには就寝、寝る前のスマートフォンの使用を控え、リラックスできる環境を整えてください。

運動はウォーキングやヨガ、ストレッチなどが効果的です。運動によって血行や代謝が促進され、ホルモン分泌にも良い影響を与えます。

ただし、あまり激しい運動はストレスとなる場合もあるため、ゆっくり身体を動かし、深い呼吸を意識しましょう。1日の運動時間は短くても積極的に体を動かしてください。

ストレスが多く、完全になくすのは難しくても上手に付き合っていきましょう。ストレスは自律神経を刺激してホルモンの分泌に影響します。

音楽を聞く、ゆったりお風呂につかるなど自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。趣味の時間、友達とゆっくりお茶をして話すなども十分にストレス対策となります。

食事で女性ホルモンは増やせませんが、食生活のバランスがとれているとホルモンの分泌につながります。たんぱく質は肉、魚など動物性のもの、大豆など植物性のものをバランス良く摂取し、野菜、炭水化物、良質な油を少量も合わせて摂るようにしましょう。

オリゴ糖や食物繊維、発酵食品を多く摂取すると腸内環境が整います。納豆、ぬか漬け、ゴボウ、ネギなどを取り入れた和食中心のメニューがおすすめです。

女性ホルモンが多い場合と少ない場合の症状

女性ホルモンが多い場合と少ない場合の症状

女性ホルモンのバランスの乱れといわれますが、2種類の女性ホルモンエストロゲンとプロゲステロンの分泌量が多すぎたり少なすぎたりすると、何らかの症状や健康リスクが生じます。

体調やメンタルの変化や、何か具体的な症状が現れたときの原因がホルモンだと早く気付ければ、早期の対処や治療につなげやすくなるでしょう。

女性ホルモン過多のときに起こる体の変化

エストロゲン過多で起こる可能性がある症状
  • 子宮内膜が厚くなる
  • 生理が重くなる
  • 肥満
  • 偏頭痛
  • 無排卵
  • むくみ

エストロゲンの分泌量が多すぎると、子宮内膜が厚くなって生理が重くなる場合があります。また脂肪を蓄えやすくなって肥満につながる方もいます。他にも偏頭痛、無排卵、不安感、疲労感、むくみ、乳房の張りや痛みなどの症状が現れることも。

特に注意したいのは、エストロゲンの過剰分泌が長期間続くと、乳腺症、乳がん、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮体がん、子宮頸がんなどのリスクが高まることです。

現代女性は昭和初期と比べて月経回数が約4.5~10倍に増加しています。そのためエストロゲンの分泌が多くなり、病気や症状が増加していると言われています。

参考:内閣府 男女共同参画局

プロゲステロン過多で起こる可能性がある症状
  • 生理不順
  • 無月経
  • 肌荒れ
  • 不眠
  • むくみ

一方、プロゲステロンが多すぎる場合は、情緒不安定、眠気や不眠、だるさ、肩こり、腰痛、肌荒れ、むくみなどが起こりやすくなります。

月経前症候群(PMS)として知られるイライラ、のぼせ、下腹部膨満感、頭痛などの症状も、プロゲステロンの過剰分泌が関与していると考えられています。 

女性ホルモンが少ない女性の特徴は?不足による影響や症状と健康リスク

エストロゲンの分泌量が少なすぎる場合
  • 生理不順
  • 無月経
  • 肌荒れ
  • ほてり
  • 抜け毛

エストロゲンの分泌量が少ないと、妊娠や出産に関わる機能が低下。肌荒れ、情緒不安定、不眠、むくみ、頭痛、めまい、ほてり、発汗、肌のくすみ、髪のパサつき、抜け毛などの症状が現れることがあります。

長期的に分泌量が少ないと、骨が弱くなったり血管の病気にかかりやすくなったりするリスクも。女性は更年期後に骨粗鬆症や動脈硬化、脳梗塞、高血圧などの病気を発症しやすくなるといわれています。

閉経によってエストロゲンの分泌量が大幅に減少してしまうのが病気の原因の一つと考えられています。

プロゲステロンの分泌量が少なすぎる場合
  • 月経異常
  • 不正出血

プロゲステロンが少なければ基礎体温が上がらない、黄体期が短くなるなどの症状によって月経異常や不正出血が見られます。

排卵後の黄体期にプロゲステロンが不足するのは、黄体機能不全という病気が疑われます。黄体機能不全は、不妊を引き起こす可能性が高く注意が必要です

生理がいつもと違う、不正出血があったなどの変化があれば、婦人科を受診してください。

年齢による女性ホルモン分泌の変化

女性ホルモンは年齢によって分泌量が変化します。

通常、小学校高学年頃から徐々に分泌量が増加していき、初潮を迎える平均年齢の12歳ごろに分泌量が急増。思春期には外見的にもバストの発達や丸みのある女性らしい体型への変化が現れます。思春期は卵巣機能が完成するまで、月経不順や月経困難症などのトラブルが起こりやすい時期といえるでしょう。

18~20歳頃には女性ホルモンの分泌量が安定し始め、20代から40代半ばまでの性成熟期には最も安定して分泌される時期に。45~55歳頃の更年期に入ると、女性ホルモンの分泌量が急激に減少し、いわゆる更年期症状が現れます。

閉経後には男性と同等程度の女性ホルモンしか分泌されません。男性ホルモンの影響を受けて、ひげが生える、髪が薄くなるなどの悩みを抱えやすくなります。

これまでエストロゲンによって維持されていた血管や骨、皮膚などのトラブルや病気のリスクが高まるのも更年期です。 

女性ホルモンを増やす食べ物はある?積極的に摂りたい栄養素 

女性ホルモンを直接増やす食材は医学的には存在しませんが、女性ホルモンと似た働きをする成分や、ホルモンバランスを整える栄養素を含む食べ物はあります。

ホルモンバランスを整える食材を摂ると、女性ホルモンの働きをサポートし、安定化に役立ってくれるでしょう。また、女性ホルモンの生成や分泌に関わるビタミンやミネラルの摂取も、ホルモンケアには欠かせません。 

大豆イソフラボンを多く含む食材一覧

大豆食品に含まれている大豆イソフラボンは、エストロゲンと化学構造が似ています。そのため大豆イソフラボンが女性ホルモンを増やすと誤解している方もいますが、そうではありません。

イソフラボンはエストロゲンと似た働きをする成分で、植物性エストロゲンとも呼ばれています。大豆イソフラボンは、摂取量の上限が1日あたり70mg~75mgとされており、食材によって含有量は大きく異なります。

食品名100gあたりの平均含有量平均的な摂取量あたりの含有量
豆腐20.3mg71.5mg(1丁 350g)
納豆73.5mg33mg(1パック 45g)
豆乳24.8mg49.6mg(1パック 200g)
味噌49.7mg9.9mg(味噌汁1杯 20g)
醤油0.9mg0.2mg(大さじ1)
煮大豆72.1mg72.1mg
(食物繊維やカロリーを考慮して1日100g限度)
きな粉266.2mg
油揚げ39.2mg

最も含有量が多いのは大豆そのものを使った食品です。日常的に摂取しやすい食材は、納豆、絹ごし豆腐、豆乳などがあります。

味噌や醤油などの発酵食品には、発酵過程でイソフラボンが、より吸収されやすい「アグリコン型」に変化している特徴があります。味噌や醤油は大豆そのものよりイソフラボンの含有量は少ないものの、毎日の食事で継続摂取しやすい食材です。

効果的に大豆イソフラボンを摂取するには、お味噌汁の具を豆腐や油揚げにする、納豆に醤油をかけるといった複数の大豆食品を組み合わせる方法がおすすめです。

参考:厚生労働省 大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A

エクオールを作る腸内環境の整え方

エクオールは、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインが腸内細菌によって代謝されて作られる物質です。大豆イソフラボンのままよりエクオールのほうが強い働きをします。

しかし、日本人の約50%しかエクオールを産生する能力がありません。また若年層では産生者が低下しているといわれています。

参考:大豆由来の新規成分“エクオール”の最新知見

エクオールの産生には、腸内フローラのバランスや食物繊維などが関係するといわれています。ただしエクオールを産生する腸内菌をもともと持っていない人も約半数いるわけです。

エクオール検査を実施している医療機関もありますが、これまでに見つかったエクオール産生菌がすべてではない可能性も高いといわれています。そのため検査だけで「絶対にエクオールがつくれない」とは断定できません。

エクオールのサプリメントもありますので、イソフラボンを摂取しやすい献立を取り入れつつ、サプリで補うとよいでしょう。

女性ホルモンサポートに必要なビタミン

女性ホルモンの生成や分泌には、大切な役割を果たすビタミンをご紹介します。

ビタミン主なはたらき多く含まれている食品
ビタミンE女性ホルモンの分泌を調整
抗酸化作用
血行促進作用
ナッツ類
ひまわり油
オリーブオイル
うなぎ
たらこ
アボカド
ビタミンB6エストロゲンの合成を助ける
ホルモンバランスの乱れを整える
豚肉
レバー
魚介類
納豆
玄米
ビタミンC抗ストレスホルモンの合成を助ける
鉄の吸収を助ける
柑橘類
ビタミンDカルシウムの吸収を促す
PMSの発症リスクを下げる
可能性が期待できる研究結果あり

サンマ

ビタミンEは抗酸化作用などから「若返りビタミン」とも呼ばれています。月経前のイライラ、生理痛、生理不順の改善に効果があり、更年期症状の対策としても有効です。

ビタミンB6はたんぱく質の代謝に関わり、ホルモンの原料となるアミノ酸の代謝をサポートします。さらにホルモンバランスの乱れを整えてくれる効果も。ビタミンCはストレスによるホルモンバランスの乱れを整えるのに役立ちます。

ビタミンDはビタミンという名称がついていますが、実は女性ホルモンや男性ホルモンに似た構造のステロイドホルモンです。体内で合成されますが、現代生活では欠乏しやすいといわれています。

その他、女性ホルモンの分泌をサポートする亜鉛や、体内に取り込んだミネラルを体中に届ける赤血球の材料となる鉄分も重要な栄養素です。

亜鉛は貝類、赤身の魚、牛肉を接触的に摂りましょう。鉄分はほうれん草、ひじき、赤身の肉や魚に多く含まれています。 

女性ホルモンのバランスをサポートするサプリメントの選び方

女性ホルモンを直接増やす効果が認められたサプリメントの商品は存在しません。しかし、エストロゲンに似た働きを持つ成分や、ホルモンの生成・分泌に関わる栄養素を積極的に摂取すれば、健康をサポートする成分や栄養素を補う効果が期待できます。

ただし、どんなサプリでも摂取すればよいというものではなく、成分の特徴や摂り方は知っておく必要があります。
サプリメントの選び方や注意点を詳しく解説していきます。

エクオールサプリの効果と摂取タイミング

エクオール摂取の目安量は、1日あたりおよそ10mgとされています。摂取タイミングについては、サプリメントは医薬品のように飲むタイミングは決まっていません。1日分を1度に飲んでも、朝と夜など複数回に分けて飲んでもどちらでもよいでしょう。

エクオールは体内に留まらず、毎日排出されてしまうので毎日忘れず摂取するのを習慣にしてください。エクオールを体内で産生できる方も、サプリメントを摂って問題ありません。効果はいきなり出ませんので、継続してサプリを摂りましょう。

イソフラボンサプリの正しい選び方

イソフラボンサプリを選ぶ際は、吸収率の良い「アグリコン型」のイソフラボンを選びましょう。豆腐・納豆などの大豆食品の大半に含まれている「グリコシド型」は周りに糖が付着しており、分子量が大きいため、腸内細菌の酵素の力で糖を分解しないと体内に吸収されない仕組みとなっています。

一方アグリコン型イソフラボンは、初めから糖が外れた状態なので、腸内細菌の働きとは別に、胃もしくは腸の部分から効率的に吸収できます。吸収率も高く、グリコシド型の3倍以上とされています。

サプリメントだけから摂る分は、安全性を見込んで30mgまでにしておこうという基準があります。

サプリメント摂取時の注意点と副作用

女性ホルモン系サプリメントには、いくつかの注意点があります。まず、大豆アレルギーがある場合は、下痢や腹痛、皮膚の痒みや発疹などのアレルギー症状を避けるため大豆イソフラボンサプリを摂取するのは避けましょう。

女性ホルモン様作用のある食品やサプリメントは、子宮筋腫の増大に影響するおそれがあるので、疾患がある方は主治医と相談してください。

薬を服用中の方がサプリメントなどの健康食品を摂取する場合は、必ずかかりつけの医師に相談してから開始しましょう。また、妊娠・授乳中の方は摂取しないでください。

エクオールなど女性ホルモンを整えるはたらきが期待できる成分のサプリメントの副作用は、現在のところほとんど報告されていません。しかし体調に異変を感じた場合は、すぐに使用を中止し、医師に相談してください。

医療機関での女性ホルモン治療法

女性ホルモンに関する症状や不調を感じたとき、医療機関で検査と治療を受けたほうが良い場合もあります。慢性的な不調の場合、重大な病気ではないからと受診を後回しにしてしまいがちです。

しかし日常生活で困っている、QOLが低下していると感じるなら放置しないで早めに医師に相談し、治療を始めましょう。

更年期障害の治療法にはカウンセリングや運動・食事療法、漢方療法などのほか、ホルモン補充療法(HRT)が行われています。現代の医療技術では、女性ホルモンの状態を正確に把握し、適切な治療を行えます。

ここでは医療機関で受けられる治療法について詳しく見ていきましょう。

ホルモン補充療法HRTの効果と治療に適した症状

HRTとはHormone Replacement Therapyの略で、ホルモン補充療法、主にエストロゲンを補充する治療法です。エストロゲンの分泌が低下し、欠乏することで引き起こされる様々な症状を薬で補って緩和します。

  • ホットフラッシュなどに効果
  • 健康保険適用(一部自費治療となる場合もあり)
  • 乳がん、子宮体がん、脳卒中、心筋梗塞などの疾患や症状がある方は治療はできない

ホットフラッシュと呼ばれるほてりやのぼせを中心に、不眠や体の変化(皮膚の乾燥、骨が弱くなる)といった症状に効果があるといわれます。現在、HRTのエストロゲンを補充する薬を服用したり貼付したりする治療では健康保険が適用となります。

副作用として乳房のハリ、不正出血、おりもの、おなかのハリなどがあります。医師へ相談し、既往歴や健康状態を確認したうえでHRT治療が適しているか必ず確認します。

女性ホルモン検査の種類と費用

女性ホルモン検査は、クリニックや産婦人科のある病院等で受けられます。費用は保険適用時で5,000円程度のクリニックが多いですが、検査項目が異なると料金も違ってくる場合があります。

病院によっては保険適用外となったり、初診料や再診料が別途かかったりする場合もあるので事前に確認しておきましょう。主な検査項目には下記のものがあります。

  • 卵胞刺激ホルモン(FSH)
  • 黄体形成ホルモン(LH)
  • 卵胞ホルモン(エストロゲン)
  • 黄体ホルモン(プロゲステロン)
  • プロラクチン
  • アンチミューラリアンホルモン(AMH)

血液検査と尿検査で女性ホルモンの量を調べます。卵巣機能の状態や更年期なのか、無排卵なのかなどがわかります。

どんな症状なら婦人科で相談したほうがよい?

更年期症状や女性ホルモンに関する不調を感じたとき、どのような症状なら婦人科を受診すべきか判断に迷うかもしれません。

更年期かもしれないけれど、受診したほうがよいか迷っている方はSMIスコア(簡略更年期指数)を参考にしてください。

症状
①顔がほてる10630
②汗をかきやすい10630
③腰や手足が冷えやすい14950
④息切れ、動悸がする12840
⑤寝つきが悪い、または眠りが浅い14950
⑥怒りやすく、すぐイライラする12840
⑦くよくよしたり、憂うつになることがある7530
⑧頭痛、めまい、吐き気がよくある7530
⑨疲れやすい7420
⑩肩こり、腰痛、手足の痛みがある7530
SMIスコア

症状の程度を自分で〇をつけていき、合計点を出してください。

合計点の評価方法
0~25点

このままの生活態度を続けてよいでしょう。上手に更年期を過ごせています。

26~50点

食事、運動などに注意。生活様式で無理をしないようにしましょう。

51~65点

医師の診察を受けてください。生活指導、カウンセリング、薬物療法を受けたほうがよいでしょう。

66~80点

半年以上の計画的な治療が必要でしょう。

81点~100点

精密検査を受け、更年期障害のみである場合は、専門医による長期的な対応が必要でしょう。

参考:厚生労働省 更年期症状・障害に関する意識調査(結果概要)

一般的には婦人科を受診しますが、症状がつらい、じっくり話を聞いてもらいたいなどの場合は専門医への相談をおすすめします。更年期に理解の深い専門医が診察する「更年期外来」や女性の全身症状をトータルで診察する「女性外来」を受診するとよいでしょう。

50代前後で月経不順や閉経とともに起こる体調の変化は、特別気になる症状でなくても一度は婦人科で相談してみましょう。症状を我慢しすぎたり、自己流の対処で悪化させたりする前に、ぜひ受診してください。

受診するかどうか迷っているなら基礎体温でセルフチェック

女性ホルモンの状態を自分でチェックする方法として、基礎体温の測定もあります。基礎体温とは、生命維持に必要な最小限のエネルギーしか消費していない安静時の体温のことで、朝起きてすぐに舌の下で測定します。

正常な排卵が行われている健康な女性では、基礎体温は低温期と高温期の二相に分かれ、一定のサイクルで繰り返されます。高温期が3週間以上続いていたら妊娠の可能性があるのですが、低温期のみなら無排卵の状況です。

2~3周期は継続して測定し、月経開始日から約14日目に排卵が起こり、その後約14日間の高温期が続くパターンかどうかを確認しましょう。基礎体温が二相性になっていれば、女性ホルモンが正常に分泌されていると推測できます。

月経の変化も重要なチェックポイントです。これまで順調だったのに不規則になった、経血量が変化した、月経期間が短くなった、逆に長くなったというケースは、卵巣機能が低下している可能性があります。

いずれにしても気になる症状が続く場合は、婦人科でホルモン検査を受けましょう。

【年代別】女性ホルモンのバランスを整えるケア方法

【年代別】女性ホルモンのバランスを整えるケア方法

20代から50代以降まで、各年代に応じたホルモンケア方法を実践しましょう。ライフステージごとに異なる体の変化に合わせて、自分で取り組みやすいケア方法を取り入れてください。

年代にかかわらず、気になる症状がある場合は放置せずすぐに医師に相談するのも大切です。

20代~30代のホルモンバランス維持法

20代から30代は本来女性ホルモンの分泌が安定している時期です。しかし、現代女性は仕事のストレスや不規則な生活により、若い世代でもホルモンバランスが崩れる方が増えているので、まず規則正しい生活習慣を整えることを基本としましょう。

また妊娠、出産をする方が多い時期でもあり、心身に大きくホルモンの影響が出ます。産後に女性ホルモンは、ほぼ分泌量がなくなるといわれています。

急に悲しくなったり、ささいなことでイライラしたりという心の面だけの問題ではありません。肌荒れ、シワ、たるみ、抜け毛など体もたくさんのトラブルを抱えがちです。

一定期間すると徐々に女性ホルモンはまた分泌量を増やしていきますが、それまでは上手に気になる点と付き合っていかないといけません。赤ちゃんのお世話でなかなか難しいですが、一緒に昼寝をするなどしてしっかり睡眠をとりましょう。

バランスの取れた食事も簡単ではありませんが、宅配ミールなども上手に利用していくとよいですね。1日1食はバランスが取れていればOKと考えてリラックスして過ごしてください。

40代は更年期の予防的ケアをはじめましょう

40代前半はプレ更年期と呼ばれ、更年期に向けた体の準備期間です。この時期から予防としてホルモンケアを始めておくと、将来の更年期症状を軽減できます。

心身のバランスを整えるために、ヨガや散歩などの軽い運動に加えて、マッサージやアロマなどのリラクゼーションを取り入れましょう。エクオール含有サプリメントの摂取も検討してください。

骨密度を守る対策もしておきたいところです。やせ型の方や家族に骨粗しょう症の既往がある方は、注意が必要です。カルシウム、ビタミンD、ビタミンKを含む食品を積極的に摂取します。

30代後半から40代のプレ更年期までにかかりつけの婦人科医を見つけておくと、実際に更年期に入ったときに相談しやすいでしょう。また、更年期に入る前の早い段階で骨密度検査やホルモン検査を受けておくのも良い方法です。

50代以降の閉経後ホルモン対策

50代以降の閉経後は、女性ホルモンの分泌がほぼゼロとなるため、医学的な治療選択肢も視野に入れたケアが必要になります。更年期症状がつらい場合は、ホルモン補充療法(HRT)が第一選択の治療法です。

HRTは保険適用で、エストロゲンを補充して更年期症状の緩和だけでなく、骨密度低下の改善や動脈硬化予防効果も期待できます。HRTを希望しない場合や使用できない場合は、エクオール含有サプリメントや漢方薬という選択肢もあります。更年期障害に使われる代表的な漢方薬には当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝茯苓丸があります。

閉経後5年から10年経過すると、高血圧症、脂質異常症、糖尿病、骨粗しょう症といったリスクが高まる時期です。内科、婦人科、整形外科などのかかりつけ医を持ち、定期的な健康管理にシフトしていきましょう。

女性ホルモンは一生を通じて心身に大きな影響を与えます。つらい症状があれば迷わず婦人科を受診し、理想的なホルモンバランスを維持していきましょう。

自分の体と向き合い、女性ホルモンと上手に付き合っていく方法を見つけると、毎日が過ごしやすくなります。

目次