月経過多でお悩みの方へ最新の治療法です

毎月の月経で「月経過多」に悩んでいる方は少なくありません。月経過多は我慢していると不調を感じることが多く、できる限り改善したい症状と言えます。月経過多の治療でここ最近注目されているのが、「MEA(マイクロ波子宮内膜アブレーション)」と呼ばれる治療法です。

月経過多がもたらす影響と従来の治療法

月経過多

月経は子宮内部の子宮内膜が毎月剥がれ落ちてくることによって出血する仕組みです。

月経時の出血量が多い場合、貧血や動悸、息切れ、出血量が多いがゆえに思うように外出やスポーツを楽しめないなどの不快さを感じ、日常生活に支障をきたしている例もあります。

【従来の】手術による治療法
  • 開腹手術による子宮摘出手術
  • 腹腔鏡下による子宮摘出手術

当然多くの妊娠を望んでいる方によって、子宮摘出手術は検討にも至らない選択肢です。妊娠を望んでいない女性の場合でも閉経までの期間に手術を伴う治療法は検討し切れないということで治療自体を諦める方もいることから手術を伴う治療法のハードルは非常に高いものです。

手術以外の選択肢
  • 低用量ピル(黄体ホルモン内服薬)の服用
  • 月経と排卵を止める目的でのGnRHアナログの服用

手術を伴わない方法として低用量ピルやGnRHアナログの服用という方法がありますが、処方コスト、定期的に通うことが必要となり、踏み切れない方も多くいらっしゃいます。

そんな中、薬の服用による治療や子宮摘出術の代替治療法として注目されているのがMEA (マイクロ波子宮内膜アブレーション)です。

マイクロ波子宮内膜アブレーション(MEA)という治療法

マイクロ波子宮内膜アブレーション

マイクロ波子宮内アブレーション(Microwave Endonetrial Ablation)通称MEAと言われてます。MEAは子宮筋腫・子宮腺筋症、内膜ポリープ等による過多月経のケースに対して有効な治療法です。

MEA(マイクロ波子宮内膜アブレーション)は切らずに治療を行え、子宮摘出をしなくて済むという点が大きなメリットです。

メカニズムと期待できる効果

直径4mmの金属管(サウンディングアプリケーター)でマイクロ波を子宮腔内へ導き、子宮内膜のみを加熱し壊死させます。

マイクロ波をわかりやすく説明すると、電子レンジから発しているものと同じ波長で約1mm~1m(300MHz~300GHz)の電磁波になります。マイクロ波をあてると子宮内部に熱が加わり、子宮内膜を焼灼します。

焼灼処理された子宮内膜は経血量が減少し、月経時の出血量を減少または無くすことができる治療方法です。

こんな方におすすめ

過多月経でお悩みの方

過多月経とは、月経時の出血量が極端に多いために、日常生活や健康に様々な影響を及ぼす病気です。貧血の原因になったり、動悸や立ちくらみを引き起こすこともあります。マイクロ波子宮内膜アブレーションによって、子宮内膜を焼灼することにより月経量を改善させることができます。

子宮摘出手術を希望しない方

造血剤、止血剤またはホルモン治療の効果が不十分場合は、開腹下や腹腔鏡下に子宮摘出術を勧められる事があります。これに対して、MEAは子宮内からマイクロ波を子宮内膜へ照射して壊死させる治療法で、子宮を摘出せずに、出血量を改善できます。MEAは子宮摘出術の代替治療法となります。

乳癌術後のホルモン治療中(タモキシフェン使用中)で過多月経で悩まれている方

乳癌の患者様は、再発抑制のために、術後ホルモン療法(タモキシフェン内服)が行われることが一般的です。タモキシフェン内服による副作用のひとつとして、子宮内膜が増殖して厚くなり、子宮体がん(子宮内膜から発生するがん)のリスクがわずかながらも上がるといわれています。そのため、定期的に検診をすることが推奨され、検診の中で子宮内膜細胞診を行います。

細胞診はブラシのような器具を子宮の中に入れ、子宮の中をこすって細胞をとる検査のため、痛みを伴うことが多く、定期検診が辛いと感じられる方もいます。そこでマイクロ波子宮内膜アブレーションによって子宮内膜を持続的に無くすことにより、子宮内膜細胞診を受けなくて済むことは患者様にとって大きなメリットと言えます。

実際の患者様のアンケートデータ

手術後の出血量について
手術後の腹痛について

治療の流れ

治療の流れ

①手術前診察

マイクロ波子宮内膜アブレーションが適用になる状態かどうか、一度ご来院頂きご相談ください。
※診察はご予約制です▶【ご予約はこちらから】※
院長が診察致しますので、外来担当医表にて院長が診察に出ている日にお越しください。診察後、当院にてマイクロ波子宮内膜アブレーションが可能と判断し、患者様自身も手術にご納得頂けた場合に手術日を決定します。

②手術日当日

ご予約時間に余裕をもってご来院ください。当日の説明や、術後の回復には少し時間を要しますが、手術自体は10分程度で終了します。日帰り手術で、手術翌日から日常の活動に復帰可能です。

③手術後

1か月後に術後検診を行い、術後の経過をしっかりと診断します。

手術後は水っぽいおりものが持続しますが、2~3週間程度で軽快します。この期間はシャワー浴にし、性交渉は控えましょう。術後4週間以上経過してからまれに細菌感染を起こすことがありますので、おりものの異常や下腹痛があれば早めに受診するようにしてください。

治療を受けられない方

MEAの治療はすべての月経過多に悩む女性に対して行える治療法ではありません。以下のケースの場合、治療の適応外となります。

  • 子宮壁の厚みが10mm以下の方
  • 異型子宮内膜増殖症と診断されている方
  • 子宮内膜癌と診断されている方
  • 今後妊娠を希望されている方
  • 子宮内膜にサウンディングアプリケーターが到達できない状況の方

※異型子宮内膜増殖症や子宮内膜癌の場合、再発の危険性があるため治療はできません。

マイクロ波子宮内膜アブレーションは保険適用の治療です

平成24年度までMEAによる治療は「先進医療」という扱いでの治療方法のため自費治療で行われていましたが、平成24年4月1日からは健康保険適用となりました。

当院のMEA治療は、手術料や麻酔料等を含めて保険適用(3割負担)の場合で6万円程度です。(現金・クレジットカード支払いも可能です)

月経過多でお悩みの方はぜひご相談を

これまでに月経過多による体の不調に悩んできた方、経血量の多さが原因で日常生活に支障をきたしていた方にとって、MEA(マイクロ波子宮内膜アブレーション)による治療法は体への負担が少ない治療法です。

長年悩まされていた症状も治療を受けることによって解消する可能性がありますし、保険適用になり3割負担で受けられるようになりました。また、当院の場合は日帰り手術が可能で、手術翌日から日常の活動にも復帰可能です。ぜひお気軽にご相談ください。